からだのことS3#8

中鎖脂肪酸を長期にわたって摂り続けるとどうなるかに関しては分かっていない。ココナッツは日本にはない植物だから、日本人がこれを日常的に摂り続けたことがないがらだ。
つまり、私がやっているのは、自分の体を使った人体実験だ。吉と出るか凶と出るか。
まあ、朝食の時に真っ先にメロンパンをパクついていたこれまでの習慣よりはずっとましだろう。
さて、次は飽和脂肪酸に対する不飽和脂肪酸に関して。
この脂肪酸は多くが植物由来の油となっている。
次のサイトはこの不飽和脂肪酸に関して、「健康に良い油」と見出しの部分で紹介している。
http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/unsaturated-fatty-acid/
しかしこの紹介の仕方には問題がある。
不飽和脂肪酸にもいくつかの種類があり、分子の二重結合が一つのものを一価不飽和脂肪酸、複数のものを多価不飽和脂肪酸という。
この後者はさらに二重結合の位置により、n-3系(ω3ともいう)と、n-6系(ω6ともいう)に分けられる。
多価不飽和脂肪酸は体の中で合成することができず、さらに人体の様々な働きに欠かせないものなので、外からの摂取が必要なものだ。
そのため、この二つの多価脂肪酸を「必須脂肪酸」というらしい。
必須アミノ酸」というのは学校でも習ったが、「必須脂肪酸」などというものがあることはネットで調べるまで知らなかった。
そして、この必須脂肪酸に関する最近の知見は、摂取のバランスが非常に大事だということだ。
一価不飽和脂肪酸も、二つの多価不飽和脂肪酸も一緒くたにして「健康に良い油」という紹介の仕方は問題があるというのはこの点なのだ。
かつて、n-6系の植物油が健康にいいということでもてはやされたためか、いまでは、日本人のほとんどがn-6系の油を摂りすぎているという。つまり、n-3系の油との摂取バランスが悪いのだ。
どの不飽和脂肪酸をどれだけとるかに注意せず、多価不飽和脂肪酸が多く含まれているとの理由だけで、これを摂取するのは、実は「不健康な選択」なのだ。
ここで、n-3系の不飽和脂肪酸がどんなものに多く含まれているかを見ると、植物由来のものは、エゴマ、アマニ、クルミなど。
青魚に多く含まれているDHAEPAもn-3形に分類されているので、これが植物以外のものに由来するn-3系の油ということになる。
植物由来のn-3系の油は日本人はほとんど摂っていない。日本では栽培していても油をとるほどではないからだ。
また、近年は魚をあまり食べなくなったせいで、n-3系の摂取量が決定的に不足しているのが現状だ。
近年、アレルギー性の疾患に悩む人が増えているという。これは必須脂肪酸のうちのn-3系の摂取が足りないせいかもしれない。