からだのことS3#9

n-3系の必須脂肪酸の摂取不足がアレルギー性疾患の原因かもしれないというのは、この脂肪酸の体内での働き方による。
二つの必須脂肪酸には、体内でちょうど逆の働き(拮抗作用)があり、両者をバランスよく摂取しないと、様々な健康上の問題を引き起こすという。
この点に関しては次のサイトが参考になる。
http://aqua-japan.net/bigsmile/%E7%90%86%E6%83%B3%E7%9A%84%E3%81%AA%E6%B2%B9%EF%BC%88%E8%84%82%E8%B3%AA%EF%BC%89%E3%81%AE%E6%91%82%E3%82%8A%E6%96%B9%EF%BD%9E%E3%82%AA%E3%83%A1%E3%82%AC3%E3%81%A8%E3%82%AA%E3%83%A1%E3%82%AC6%EF%BD%9E/
このサイトの記述が正しいとすると、現在、日本人の多くが二つの必須脂肪酸の摂取バランスはとてつもなく悪く、それが原因の疾患がも数多くあるだろうということになる。
若い世代にアレルギー性の疾病が多くみられるのはそのせいかもしれないということだ。
本来なら、「体にとって必要な油」のはずのn-6系の脂肪酸が、n-3系の脂肪酸との、バランスの悪い摂取のために、「体に悪い油」になってしまっている。
バランスの悪い摂取の大きな原因が、日本人にとっては、n-3系のほとんど唯一の摂取源である魚をあまり食べなくなったことにあるというのは、前にも述べた。
次のグラフは日本人の肉と魚の消費動向に関するものだ。

このグラフでわかるのは、肉の消費量がここ20年ほどは年間一人当たり25kgから30kgに増加した一方で、魚の消費量は37kgから27kgほどにまで落ち込んだことだ。
肉の消費量がごく最近、魚の消費量を上回ったこともわかる。
私と同じ世代の人間なら、魚の消費は以前より、今の方が多いはずだ。なぜなら、昔は食品の流通が今ほど活発ではなく、魚もそれほど頻繁に食べられたわけではないからだ。
よく食べた魚といえば、腐敗を防ぐため塩をしたサケ、サバ、サンマ。そしてメザシ.
こんなもので十分なn-3系の脂肪酸が十分摂れていたとは思えない。
今の時代、スーパーに行けば新鮮な魚がいつでも買える。私自身、魚を食べる機会も量も子供時代とは比較にならない。
それなのに、国民全体でみると、魚の消費が急激に落ちているのは、日常的には、ほとんど魚を食べない人が急速に増えているからだと思う。
こういう人たちにアレルギー疾患が多いとしたら、それは、上記サイトの内容が正しいということなのかもしれない。