からだのことS4#12

リノール酸の過剰摂取がアトピーの原因となるという主張はネット上の記事の中にもみられる。
次のサイトがそうしたサイトの一つ。
https://www.drmakise.com/atopy/atopy7-1.cfm
しかし、アトピーのようなアレルギー性疾患はある種のタンパク質に対する人体の免疫反応がもとになっている。
リノール酸が炎症反応を増悪させるとしても、病気そのものの発生機序には、何らかのタンパク質がかかわっていないとおかしい。
私がアレルギー性疾患全般に関わりがあるのではないかと疑っているのがグルテン
グルテンとは「小麦、ライ麦などの穀物の胚乳から生成されるタンパク質の一種。麺類やパンなど、小麦加工品を作る上で弾性や柔軟性を決定し、膨張を助ける重要な要素となっている。」(Wikipediaより引用)
グルテンが健康上の問題を引き起こすかもしれないということは日本ではそれほど話題にはなっていない。
この問題が一般人の関心を引いたオーストラリアでは、グルテンフリーの食材の需要が高まり、スーパーで多種類販売されているという。
次に引用するのは、オーストラリア在住のある女性のブログ。
http://ameblo.jp/namstar/entry-11595314099.html
アレルギー性鼻炎に苦しんだブログ主はグルテンフリーのダイエットで症状が和らいだようだ。
このブログで述べているように、小麦製品の需要が大幅に増えたのは1960年代以降のこと。現在は需要は安定して、それほどの増加はしていない。
小麦は、小麦粉に製粉され、日本ではありとあらゆる加工食品に紛れ込んでいる。幼児期からの食品も同様だ。
60年代以前には、それほど消費されていなかった小麦粉製品が大量に増えたことで、それが有するタンパク質、グルテンにも頻繁に暴露されるようになった。
花粉症をはじめ、アレルギー性鼻炎アトピー、喘息、食物アレルギーなどが、若い世代を中心に急激に増加したのは比較的近年のことだと思うが、アレルギー性の疾患はアレルゲンへの暴露が繰り返されることにより発症することを考えると、小麦粉製品の増加に遅れて、これらの疾患が増加したことと矛盾しない。
若い世代だと、上記のアレルギー性疾患のどれもないという人はほとんどいないのではないだろうか。
ところが、私が住んでいる地域の中高年で、これらの疾患がある人は、極めて珍しい。
まずそんな疾患とは無縁の人たちばかりだ。
グルテンが怪しいと書いたが、小麦粉製品は私も含めて地域住民ももちろん食べている。
それなのにアレルギーは少ない。
私が住んでいる地域というのは、農村地帯。こうした環境に60年代以前に生まれ育った人には、アレルギー性疾患はほとんど見られないように思う。
同じ年代の人でも、農村ではない市街地域の人の中には花粉症を持つ人が少なくないから、農村で生まれ育ったことと、アレルギー性疾患にならないことには何らかの因果関係があるように思う。
アレルギーは少ない一方で、この人たちに共通することがある。それはピロリ菌の感染率がほぼ100%だということ。
ピロリ菌への感染が、アレルギー疾患になりにくくする?
これは専門家ではない私個人の推測だが、何らかの関係があってもおかしくない。
ちなみに、私自身は、上記のアレルギーのどれもなく、ピロリ菌はつい2年前まで、60年以上、胃袋の中で飼育していた。