サブの危険な状況3

不安な気持ちのまま、次の日の28日の月曜日の朝。真っ先にサブの様子を見てみた。
サブは相変わらず元気がない。おしっこは出ていないようだ。
それで、日曜日に行った動物病院に再び連れて行くことに。様子を伝えると、獣医は膀胱辺りの触診を行った後、「導尿をかけてみるか」と言った。
導尿とは尿道に細いチューブを挿入して膀胱にたまった尿を排泄させる処置。
幸いサブはこうした処置にも暴れる様子もなく、されるがまま。
獣医はチューブを挿入しようとするが、なにやらてこずっている様子。時間がかかりそうなので、私に待合で待つように指示した。
ほんの数分後、診察室に呼ばれていってみると、導尿によって出てきたものを見るように指示された。
そこにあったのは、白くざらざらした細かい砂のような物質。
思わず「これは何ですか」と聞いた。獣医は「膀胱内にたまったある物質の結晶です」と答えた。
続けて、「こういう症状は猫にはよくあるけれど、犬にこれが起きたのは獣医経験25年で初めてです」と言った。
出てきた物質を顕微鏡で見せてもらったが透明できらきらと輝いていた。ある種の結晶構造が見て取れた。
尿石症は犬にもあるが、普通はある程度の大きさを持った塊になり、それが尿道をふさいでしまうという症状になる。
サブの様子から私が疑ったのもこうした犬に多い尿石症。
サブのように細かい結晶がたくさん溜まるというのは犬では珍しいのだそうだ。
細かい結晶だからレントゲンには写らなかったのだ。
溜まった物質を少しでも減らすため、導尿の後は膀胱に液体を注入して、それをその後再び、導尿により排泄させる膀胱洗浄をしてもらった。
二回の膀胱洗浄で、洗浄液の色が薄くなった。
とりあえず、これで危機は脱したのではという獣医の言葉、
実際、導尿をかけていなかったら、その日のうちにもサブは死亡していたかもしれない。
次の日の火曜日もサブを連れてくるようにとのお達し。念のためのもう一度膀胱洗浄をしましょうとのことだった。