日本人の英語9

英語とのかかわり方は人それぞれなので、学校で学んだ手法で、英語を理解することもそれはそれでかまわないのだが、この方式だと限られた時間内に読み進めることの出来る範囲がかなり狭くなってしまう。
ジャパンタイムズの先の記事でも、学校方式で理解するとなると、全文を理解するのにどれぐらいかかるのか。多分1時間はかかると思う。
駅の売店で、ジャパンタイムズを買って、通勤途上で読むとして、目的地に着く前にその内容を十分理解して読みきることは出来まい。
複雑な構文があまり出てこない読み物、たとえば小説のようなものだと、今度は長さが問題になる。一つの文を行きつ戻りつの訳読方式では、内容そのものに没入できず、読んでいてちっとも楽しくないはずだ。
楽しくない作業は、長く続けることが出来ない。一冊の小説を最後まで読み通すには、読んで楽しくなくてはならない。
英語のサークル、勉強会などに参加していても、最近読んだ英文小説というような話題は出たためしがない。今日のジャパンタイムズに出ていた例の記事、というような話題も同じだ。
英語を読むことそれ自体を楽しんだり、英語から何か情報をえるために読むという人は、英語に関心があり、勉強会やサークルに参加する人たちの中でも、きわめて限られているようなのだ。
このことは英語のインプットが十分になされていないことを意味する。インプットが十分になされないから、アウトプットのほうが上手にできるわけがない。