日本人の英文法3

  • 動作動詞と状態動詞

現在形と現在進行形の使い分けに関連して、動作動詞と状態動詞のことに言及したが、英和辞典の動詞は、すべてこのどちらかに区分されている。
動詞のそれぞれの意味区分の項目番号のすぐあとにDまたはSというアルファベットが書かれているが、Dは動作動詞を、Sは状態動詞をあらわしている。
状態動詞は進行形は原則的に進行形に出来ないことから、この区分をよくわかっていないと、時制の選択を誤ってしまう。
しかし、この辞書のDとSという分類の仕方に問題がある。手元の英和辞典のsleepの項目を見ると、SとDの両方が示されていて、動作動詞なのか状態動詞なのかが分からない。
どちらの使いかたもあるようにも理解できるが、それならばDで使う場合と、Sで使う場合とを分かち書きして、それぞれの場合の例文を示すのでなければならないのに、そうはなっていない。
この辞書の場合、用例を示した後、語法として、次のように述べている。
「sleepは『眠っている』状態を表すので、『眠りにつく』という動作の意味で、I slept about ten o'clock.のようにはいえない。」
そういうのであれば、sleepはS動詞であり、D動詞として使えないのだから、最初の区分にDを示してあるのはなぜか。その理由が分からない。
では、sleepを状態動詞だとして、これを現在形で使った次の文はどう意味であろう。
1. He sleeps from dawn.
この文を誰かが使ったとして、その時点は、もう夜が明けているときで、そのときに彼が寝ている状態を指しているのだろうか。
そうではなくて、この文は、彼の毎日の睡眠習慣をいっているのだ。
動作動詞を現在形で使うと、普段の習慣を表す場合が多い。それと同じように、状態動詞であるはずのsleepを現在形で使った例文1は、習慣を表す分なのだ。
同じことがwearでもいえる。この動詞は同じ英和辞典で、S区分になっているが、次のような例文は、彼の普段の習慣をあらわしている。
2. He wears glasses.