日本人の英文法3

  • 動作動詞と状態動詞(続き)

rideはwearとは逆に、英和辞典ではD区分であるが、この動詞は、実際の乗るという動作を表してはおらず、「何かに乗った状態でどこかまで行く」という意味だ。
この意味は、rideを他動詞で使っても、自動詞で使っても同じだ。したがって次のような文は、この動詞の意味を取り違えた、誤った使い方となる。
4. I rode on a taxi at the station.
例文4は前置詞onの使い方もおかしいので、その後の前置詞atをfromに替えただけでは正しい文にならない。
また動詞standは、参考にした辞書ではsleepと同じで、DとSの両方が示されているが、DとSの使い分けに関して、何の説明もない。
standを自動詞としてup、downなどの副詞とともに使わない場合は、「立っている」という状態を意味しており、DとSの区分で言えば、S区分だけでいいはずなのだ。
以上述べたsleep、wear、ride、standは、実は現在形と進行形の使い分けに関して、共通しており、現在形で使うと、主語の普段の生活習慣を、現在進行形で使うと、現在という一瞬の時の状態を表す。
それなのに、手元の英和辞典では、DとSの表記は、それぞれの動詞で違っていて、辞書を調べた人間が、動作動詞、状態動詞の性質の違いを理解して、うまく使い分けするための参考にならない。
そこで、辞書のDとSの区分は無視して、それぞれの動作および状態の質により細分してみると、次の4種類になる。
1. 瞬間的現象・動作
2. 時間的経過を前提とする現象・動作
3. 一時的状態またはコントロール可能な状態
4. 長期的状態またはコントロール不能な状態