花の咲かないサボテン4

ヤフオクのサボテンオークションにはまってからというもの、オークションだけでなく、ネット通販をしているサボテン販売店を通じて、たくさんのサボテンを買い集めた。
サボテンは、さまざまな場所から送られてきた。
一番北は福島で、南は北九州。ほかは新潟、千葉、群馬、奈良、三重、岡山などなど。
送ってくる場所は違うのに、サボテンが植えられている鉢は、そろいもそろって黒いプラスチック鉢。
それまでのサボテンに関する、わたしの知識では、確かサボテンは過湿を嫌うというものだった。
過湿を嫌う植物は、鉢自体に通気性のあるものに植えるというのが、園芸では常識だ。
通気性のないプラスチックの鉢に植えるというのは、どうにも納得がいかなかった。
色も黒一辺倒。
何か理由があるのではないかと、これもまたネット検索をしてみた。
そして、とあるサボテンのHPで、サボテンの鉢として、黒いプラスチック鉢を薦めているのを発見。
理由は、プラスチック鉢の保温性ということであった。黒色を選ぶ理由は、太陽熱をよく吸収して、鉢土の温度が上昇しやすいからだ。
鉢のふちが外側にカールしたものが、熱吸収の点でも有利だということで、そういえば、業者経由のサボテンは、ほとんどのものが同じような形状のプラスチック鉢に入っていた。

  • 花の咲かないサボテン3


どうやらこの業界、ある特定の名人上手の推奨するやり方が、いっぺんで業界の常識と化する世界のようだ。ネットにより、その世界がやや広がりを見せたものの、やはり、かなり狭い世界のようで、この黒いプラスチックの鉢というのが、一般の園芸店では、まったく手に入らず、特に丈の長いタイプは、ある特定の通販店でしか手に入らない。
それが全国津々浦々のサボテン愛好家にいきわたっているのだから驚きだ。
家の花の咲かないサボテンも、業界の常識に倣って、黒のプラスチック鉢に順次植え替えた。名人上手のいうことには素直に従っておくほうがよい。
これは何もサボテン栽培に限ったことではない。