日本人の英文法15

willとbe going toの使い分けについて、一つの基準を与えてくれたのは、ジャパンタイムズ出版の「日本人に共通する英語のミス」という本だった。
奥付を見ると、1988年10月5日第9刷発行とあるから、22年前に購入したことになる。
この本の18ページには次のように記されている。

  • 「会話では、はっきり決まっている予定や、話している時間より以前に決めた意図について話すときは、willではなくbe going toを使います。」
  • 「決まっている予定や、話すとき以前に決めたこと以外の未来について話すときは、willを使います。」

わたしのwillとbe going toの使い分けに関する理解は、長い間、この本の記述に基づいたものだった。
ところが、小説を読んでいると、どうもこの基準に合わないwillや、be going toの使い方に出くわす。
そうした例のひとつを挙げてみる。

They climbed the fence into the lane and walked lazily towards the pigpen. Wilbur heard them coming and got up.
Avery noticed the spider web, and, coming closer, he saw Charlotte.
"Hey, look at that big spider!" he said, "It's tremenjus."
"Leave it alone!" commanded Fern. "You've got a frog-isn't that enough?"
"That's a fine spider and I'm going to capture it," said Avery. He took the cover off the candy box. Then he picked up a stick. "I'm going to knock that spider into this box," he said.

上記の文はE.B White著、Charlotte's Webという本からの抜粋だ。
Fernという女の子が、同年代の男の子のAveryと農場の中を歩いている場面で、Wilburというのはそこの農場で飼われている豚である。また、Charlotteというのは、豚小屋に巣をかけているクモの名前だ。
この場面のAveryのせりふにbe going toが使われているが、状況から考えて、be going toを使った文の内容は、明らかにAveryのその場の思い付きを表している。
前記の「日本人に…」に書かれた基準から言えば、この場面のAveryのせりふはwillを使うべきなのだ。
こういった使い方に出くわすたび、willとbe going toの使い分けに関する自分の理解がぐらつくのだ。