Bury the Head in the Sand part2

日本人の危機意識の低さは、火事に対してだけではない。
世界有数の地震国でありながら、各家庭の地震対策は、遅々として進まないそうだ。
地震対策にはかなりの費用が掛かる場合もあるから、これは経済的理由も挙げられそうだが、火事の場合、報知器の設置は、高くても3万円ほどだ。
それでも、多分多くの家庭は設置が義務付けられるまで、何もしないのだと思う。
こうした危機意識の低さは、日本人独特の考え方が、影響しているように思う。
その考え方とは、たとえ現実にある危機、災厄の発生する可能性が存在していても、それを意識して考えないようにするというものだ。
危険の存在を頭から追い出しておけば、そのことから回避できるとでも考えているかのような、こうした態度を表しているのが表題の英語だ。
考えないようにしている人に、危険の存在を口にすると、たいてい返ってくるのが、「縁起でもない」という言葉だ。
災厄の可能性に言及すれば、そのことが実際に起こってしまうと思っているからなのだろう。つまり災厄に関しては触れないでおけば、そのことはおきないですむという考え方の裏返しなわけだ。
こうした考えは、現実にそこにある危機から目をそむける態度となって広く日本人の行動様式を決めることになる。
最近、耳目を集める数々の事故、災害、災厄のニュースを見るにつけ、日本人の何も火事のことに限らない、危機意識の低さを思わずにはいられない。
(以下part 3に続く)