サボテンの冬越し7

高山性のギムノの代表格が天平丸だろう。去年の夏の初め、二つあった天平丸の内の一つがあっさり腐ってしまった。
そのときはまだ、天平丸が暑さに弱いとは知らず、ギムノの多くが強い直射日光を嫌うということだけは知っていたので、確か室内温室の一番下の段においていたと思う。
鉢は黒いプラスチック製だったが、これでは暑さに弱い天平丸には不適切だったのだろう。画像がその天平丸の自生地の気候を表したグラフだ。

大阪府下の衛星都市の去年のデータを用いて現生地との気候の比較をしてみた。
データは気象庁のものだ。
グラフを見ると、夏の間の最高気温、最低気温とも現生地のそれとはかけ離れた高いものとなっているのが分かる。
二つあった天平丸の一つが腐ったとき、もう一つを急遽、高山植物の栽培法である二重鉢に植替えて夏越しをさせたのはやはり正解だった訳だ。
天平丸は、夏には休眠して秋ごろから育つというようなことをどこかのサボテンブログで読んだことがあるが、それは、夏の間の栽培環境が天平丸にあっていないため、成長が止まってしまっているだけのことだと思われる。
現生地の降雨が夏に多いことを見ても、天平丸の成長期はやはり夏だというのが本当のところだろう。
その一方で、天平丸の冬越しには特別の注意はいらないようだ。ごく普通にカバー付きの簡易温室で十分冬越しは可能に思える。