NZが地震国?

NZの大地震のニュースは驚きの一言だった。
だいたいあの国が日本と同じく、地震の多い国だということをどれくらいの日本人が知っていただろう。
海外旅行経験の多い人たちに聞いてみても、そのことを知っていた人は誰もいなかった。
縁起でもないことを考えないようにする日本人だから、当たり前のことかもしれないが、それ以上に、NZ自体が、自国が地震国であることを自ら海外に向けて周知してこなかったのでなかろうか。
NZは観光立国でもあるから、自国のマイナスイメージにつながるようなことは、あまり言わないであろうことは十分想像できる。
NZのお隣のオーストラリアにしばらく滞在したことがあるが、滞在を始めて、驚いたことがいくつかある。
その一つが、何人ものオーストラリア人から、破傷風の予防接種は受けたかどうかを聞かれたことだ。
日本では破傷風の予防接種を受ける人はほとんどない。アフリカなどに旅行にいく場合は、いくつもの病気の予防接種を受けるのが普通のようだが、オーストラリアに旅行、あるいは留学するからといって破傷風の予防接種を受ける日本人がいるだろうか。
日本では、破傷風にかかる確率はゼロに等しい。
ところが、オーストラリアは、その全土が破傷風菌の常在地域とされている。
破傷風には血清があるから、治療が早ければ心配は要らないが、何しろ国土が広いから、辺鄙な場所で、怪我でもして、運悪く破傷風にかかったらまず助からない。
実際にそういう事態が起こっているので、私に対して先の質問をしたのだろう。
そのほか、毒蛇の種類とその数の多さにも驚いた。町から町までが相当な距離のあるオーストラリアを車で旅行すると、道路わきになにやらひも状のものがいくつも落ちている。
あれはいったいなんだと聞くと、車に轢かれた蛇の死体だという。
毒蛇じゃないだろうねと聞くと、オーストラリアで毒蛇じゃない蛇など、いないのじゃないかとの答え。
たいていは弱毒だそうだが、なかには猛毒の蛇も何種類かいるそうだ。
しかしそんなことは、オーストラリアの観光旅行案内のどこを見ても書いてはいない。
自分にとって都合の悪いことは、隠そうとするのは、個人でも国でも同じことなのかもしれない。