日中の水遣り4

サツキやツツジと同じ場所でシャクナゲを育てていると、シャクナゲだけが葉をだらりと下げ始めてくることがある。シャクナゲの葉のほうが前二者の葉よりずっとと大きく長いからだと思うが、そういうときにサツキとツツジだけでなく、シャクナゲにも葉水をするとやはり元気を取り戻した。


葉水が効果的なのは、かけた水が葉の表面から蒸発することにより、蒸散熱を奪い、暑くなりすぎた株を冷やすからだとされるが、葉水でかけた水の一部が鉢土にもかかり、根が水を吸収できるからとも考えられる。
そこで、いっそうのこと、葉っぱに軽く水をかけるだけでなく、普通の水遣りと同じように鉢土にも十分水を遣ったらどうなるかと思って実行してみた。
結果は、そのほうがずっと効果的だった。
株全体の冷却効果も葉水とは比較にならない。なかなか夏越しに成功しなかった鉢植えの石楠花が夏越しできるようになったのはこのときからだ。


園芸での常識とされていることはどうやら「常識のウソ」というやつではないかと思ったので、ツツジ類だけでなく、鉢植えのバラにも日中の水遣りをしてみることにした。
半日陰に置いてあるサツキ棚と違い、バラの鉢は、日中もまともに日の当たるところに置いてある。朝から太陽の光を浴びまくっているバラの鉢は、白い色のプラスチックの鉢でも触ると相当熱くなっている。
これに水を与えるというのは、最初はかなり抵抗があった。頭にこびりついている常識に反する行為だからだ。