日本人の英文法29

例文2が使われる状況を簡単に説明すると、ghostが住む家に引っ越してきたOtis familyの一人のVirginiaが、突然いなくなり、家族全員で家中を探していたところ、二階への階段の一番上に突然、彼女が現れる。家族にこれまでどこにいたのかと質問されて、彼女はいなくなっていたときの状況を次のように説明する。

"Where have you been?" said Mr. Otis. "We've looked everywhere for you, and your mother has been so frightened for you. You must never play these tricks again."
"Only on the ghost!" shouted the twins, laughing.
"You must never leave my side again, my dearest Virginia," said Mrs. Otis, and she kissed the trembling child.
"Father," said Virgina, "I have been with the ghost. He is dead, and you must come and see him. He was a bad man, but he was really sorry for everything that he did. And look, he gave me this box of beautiful jewels before he died."

書かれている内容からすると、例文2が使われている場面にghostが居ないことは明白だ。
学校で習った継続用法が状態が継続していない場面で使われている。
こうした使い方に関して、さまざまな文法に関する本、参考書を読んでもなかなか納得の行く説明には出会わない。私が探した中では、唯一、マーク・ピーターセン著「日本人の英語」のP116に、ドンピシャの説明があった。この部分も引用してみる。

A: I haven't seen you around lately. (最近、お会いしていない)
B: I've been sick. (病気だったのだ)
 この場合、病気自体はとっくに治っているかもしれないが、ある期間病気していたために、今でも自分の生活がいくらか影響されている状態(たとえば、上の会話のように、いまだに人に「この頃、会ってないな」といわれている状態とか、仕事もいまだに遅れているような状態など)であるから、これは必ず現在完了形を使うケースである。

「日本人の英語」の説明から言えることは、現在完了形の継続用法といいながら、この用法はある状態が継続しているかどうかは、あまり重要ではない。
ある状態、上の会話例では、病気の状態がある期間継続したことがもたらした結果が、しばらく人に会えなかった状況を作り出したことを、完了形の文を使うことで表現している訳だ。