日本人の英文法30

例文2に訳をつけるとしたらどうするか。例文2は、直接的には、父親の"Where have you been?"という質問に答える形になっている。疑問文が完了形だから、その時制に合わせる形で、答えも完了形で答えたわけだ。
「日本人の英語」の説明からすれば、家族が探しても見つからない状態であったのは、その間、ずっとghostと一緒だったからだという意味を例文2は表していることになる。
シンプルに「ずっとghostと一緒だったの」という訳でも、一応の例文2の訳としてはいいように思う。
ただ、この訳だと、例文2を過去形にした場合の"I was with the ghost."との違いを訳で表すことは出来ない。

続いて、例文3について考える。この文はクマのプーさんという名称でおなじみのWinnie-the-Poohという子供向けの本の中に出てくる。
例文3の主語のHeffalumpというのは、登場人物というか、登場動物というか、プーやその友達が、森に住んでいると信じ込んでいる正体不明の動物のことだ。
架空の動物だから、誰もはっきりとその姿を見たわけではない。
プーは大事にしているハチミツがいつの間にか少なくなってしまったので、きっとHeffalumpの仕業だと思ったのだが、実際は自分で食べたのを忘れてしまっただけなのだ。
ハチミツを入れたつぼをのぞいた時にその場には、Heffalumpがいるはずもないわけで、それなのに現在完了進行形を使っているのは、この時制が動作の継続を表すためのものではないからだ。
学校文法では、完了形の用法のうち、継続を表すには、have+状態動詞の過去分詞形または、have+been+動作動詞の進行形を用いると習う。
しかし、例文2で見たように、状態が継続していなくても、have+状態動詞の過去分詞形は使えるし、同様に、現在完了進行形も、動作が終了していても使える。