新たな子犬たち39

  • 最後に収容した子犬

家に帰って、子犬たちを二階に連れて行った。部屋の暖房をつけ、少しでも暖かくなるようにした。
低体温症で意識のなくなっている子犬の体を最初にタオルでよく拭き、ドライヤーで毛が乾くまで、温風を当てた。
続いて、乾いた厚手のタオルで体全体を包み、さらにコタツ布団で全体を包んだ。
ドライヤーの温風を当て続けると、火傷をするので、ドライヤーでコタツ布団のほうを暖めた。こうすれば、子犬が火傷をすることもなく、せっかくの温風の熱も逃げることがない。
タツ布団が温まった頃、他の子犬たちの体も順次、タオルで拭いて、ドライヤーで体を乾かした。三匹は比較的元気で、体が乾くと、少し元気を取り戻して、体を動かし始めた。
再び、コタツ布団に包んだ子犬を診たが、冷えた体が少しも暖かくならない。意識も戻らない。コタツ布団にドライヤーの温風を当て続け、相当熱くなるまで暖めて、それで子犬の体全体を包んだ。
何度も同じことを繰り返して、どのぐらいの時間が経っただろうか。子犬の腹部に手を当ててみると、ほんのりと体温が感じられるようになって来た。
それから程なくして、子犬は小さな声を出して、体を動かし始めた。もう大丈夫、命の危険はなくなったと思った。
ふと外の様子を見ると、このときはもう外がかなり暗くなっていた。家に帰りついたのが午後2時半位で、まだ外は明るかったが、いつの間にか時間が過ぎていた。
子犬たちは朝から何も食べていないと思ったが、食べ物を食べるだけの元気はまだないようだった。
子犬たちはまとめて、簡易ケージに入れ、部屋の暖房はそのままに、雨戸は閉めて明日の朝になるまで、そのままにしておくことにした。