日本人の英作文19

「割り箸のマナー」は、元の日本語の表現に解りにくいところがあったので、英作文が難しくなってしまった。
そこで、もっと表現が平易で英作文しやすい題材を探してみた。
今回の題材は読売新聞夕刊に載った、プロフィギュアスケーター荒川静香のエッセー。
プロの文筆家が書いたものと違って、凝った表現、込み入った構造の文章は一切なく、英作文としては初心者向け。
初心者向けとは言いながら、英作文には落とし穴はそこらじゅうにある。さてどういう英作文が出てくるか。まず、エッセーの原文は次の通り。

私にとって初めての犬は、10歳の誕生日に両親がプレゼントしてくれたシーズーの子犬「チャロ」。12月が誕生日なので、クリスマスもお年玉も一まとめでいいから「犬がほしい」とねだったのです。犬を飼うのがきっかけで、実家は、マンションから一戸建てに引っ越しました。
チャロは、とても賢く、おっとりしたいい子でした。私が大学進学のため上京した後も、実家に帰省するたびにうれしそうに出迎えてくれたものです。
そんなチャロは11才でなくなりました。私がフィギュアスケートの練習拠点をアメリカに移した頃です皮膚が弱くて、薬を長年投与していて、体に負担がかかっていたのかもしれません。
帰省したときに会ったチャロは、ほとんど何も食べられないほど衰弱していましたが、スプーンで私があげたフードは食べ、それが最後の食事になりました。
チャロの死は、心に穴が開いたようで、悲しくて寂しくてたまらなかった。両親も「動物は死に別れるとつらいからもう飼いたくない」と嘆いてしました。
でも、1か月ほど後、仙台のリンクで練習した帰りにふらりとペットショップに立ち寄ったところ、チャロと同じシーズーと目が合ってしまったのです。
生まれ変わりかと思いました。まだ毛がチョコレート色の子犬で、「この子は『チョコ』だ」とその場で名前まで付けて、飼うことを即決しました。
チョコを飼い始めたら、両親も寂しさが紛らわされたようで、家の中が再び明るくなりました。犬の存在が家庭の雰囲気を左右することに、ペットって家族なんだなあと実感しました。
チョコがやって来たころから、私のスケート人生も大きく動き始めました。2004年の世界選手権では閉めての優勝。06年のトリノ五輪にも長野五輪以来8年ぶりの出場を決め、金メダルを獲得することができました。元気でやんちゃなチョコが、パワーをくれたのかもしれません。
トリノ五輪の記念にカニンヘンダックスのティラミスを買い始め、続いて同じ犬種のアロマを飼い、その子供ローザが生まれ、私の生活はにぎやかになっていました。そして4年前からは、両親とチョコも上京し4匹の犬と一緒に暮らすようになりました。
チョコが一番のお姉さんで、体格も大きく、犬たちの間ではリーダーとして認められているようです。末っ子で甘やかされているローザのことも、たまにビシッと怒っています。
個性豊かな犬たちが集まりましたが、しつけなどで生活環境を整えることが私の責任と思っています。

今回の英作文は、同じ箇所の英作文、二人分を同時に検討することにした。