ダイエットと英会話2

日本人は向上心が高く、目標達成のための努力を惜しまない人が多いと思われるのに、ダイエットと英会話に関しては、努力せず、安易に成果を求めようとする人が多いのはなぜだろうか。
まずダイエットについて考えてみると、エクササイズや食事制限という正攻法によるダイエットは目標達成前に挫折してしまいそうだし、現に挫折した経験の持ち主も多いだろう。
毎日、一定の時間をとって運動するというのは、体を動かすのが好きな人にはなんでもなくても、そうでない人にとっては苦痛以外の何者でもない。
さらに、食事制限。自分の好きなものを我慢して食べないでおくというのは、短期間ならともかく、長期にわたる辛抱はほとんどの人が出来ないことだろう。
そもそも、ダイエットが必要な人は、運動嫌いで、食べ物は甘いものや、脂っこいものが好きな人に多いだろうから、正攻法によるダイエットははじめから無理がある。
努力するといっても、その努力に一種の楽しみを見出せないものは長続きしない。
正攻法のダイエットは、そこに楽しみを見出せない最たるもので、ある一定の時期、これを続けて、それなりの成果が出たとしても、その後が続かず、いわゆるリバウンドでもとの木阿弥となる公算大だ。
そういった人間の弱さに付け込むのが、ダイエットサプリなのだろう。飲むだけで、一切の面倒なことはしなくてよいと来れば、試してみたくなるというのうなづける。
それでは英会話のほうはどうだろう。
英会話の正攻法は、英会話学校に通って、レッスンを受けるというものだと思うが、これには、そのための時間をとらなければならず、授業料も決して安いものではない。
また、実際レッスンを始めても、それなりの成果を出すには、長い時間がかかりそうだとなると誰しも二の足を踏むことだろう。
ラジオやテレビの英会話番組で勉強という方法もあるが、学習したことを試す場が別に必要となり、これまたかなり面倒くさいことになりそうだ。
そういった面倒なことが一切なく、英語の録音テープをただ聞き流すだけで、英会話が上達するとなれば、これは試してみたなればという気持ちになるのもよく分かる。
ダイエットと英会話。このどちらも、成果を出すためのハードルが実際にはとても高いのに、それがとても低いように見せかけるという点で、ダイエットサプリと、聞き流し英会話のCMは、やはりとてもよく似ている。