ボクは猫が嫌いだった6

拾ってきたユキとタケルの間に、子犬が生まれ、そのうちの1頭も手元に残したため、飼っている犬の数が3頭に増えた。
3頭を連れての散歩は、なかなか大変だ。忙しくて散歩にいけないときは、夜になると、昼間の間は係留していたタケルやチャゲも庭に放すようになった。
このことが予想外の事態を起こす原因になった。
一年に数度ほどの頻度ではあるが、猫が庭で死んでいるということが起こるようになった。
死んでいる猫は何れも首輪はしておらず、近隣をうろつく野良猫と思われたが、飼い猫の場合でも、その当時は猫に首輪をする人は少なく、飼い猫もいたことだろう。
いずれにせよ、死んだ理由は明白だった。
夜の間、放し飼いにしていた家の三頭の犬に襲われたに違いなかった。
元々、飼っている金魚や小鳥を狙ってやってくる猫を追い払うためにタケルを飼いはじめたのではあったが、これはいくらなんでも、期待以上というか、やりすぎだと思った。
そうは思いながらも、何頭かの猫が家の犬たちの犠牲になった後も、夜の間の放し飼いは止めなかった。
心のうちに、殺されたヒバリや金魚のあだ討ちをしているような気持ちがあったのだろう。死んだ猫に対しては、それほどのかわいそうだと言う気持ちは起きなかった。
しかし、あるとき、猫に対するそれまでの私の気持ちを一変させることが起きた。