comeとgo再び#2

さて、この状況で特に、1-aの場合に日本人が使い方を間違うため、英和辞典のcomeまたはgoの項目で語法として、詳しく述べている場合が多い。
ある辞書のcomeの項にある語法の解説を引用してみる。

語法: comeには日本語の「来る」と「行く」の両方に相当する用法がある。
①人や物が話し手のほうへ、あるいは話し手と一緒に話し手の行くほうへ移動することを表し、この意味では日本語の「来る」と同じ:Come this way. こちらへ来なさい。Will you come with me to the hospital? 私と一緒に病院へ来てくれませんか。
②話し手が相手のいる場所、相手の意中にある所、相手と一緒に相手の行く所へ移動することを表し、この意味では日本語の「行く、参る、うかがう」に当たる:I will come to see you on my way home. 家に帰る途中でお目にかかりにうかがいます。I will come to the party. (お宅の)パーティーには出席します。Can I come too? 私も一緒に行ってよろしいですか。

他の辞書でも同じような解説が出ているが、この説明のしかたが実に分かりにくい。
この解説で「話し手」というのは、二人いる対話者のうち、当該のstatementを発した側で、「相手」とは、そのstatementを聞く側のことだ。
状況1-aは、この解説でいうと②の「話し手(clerk)が相手(customer)のいる場所(店)」に「移動」する場合に当たる。また、状況1-bも、1-aと同じで、②の「話し手(husband)が相手(wife)のいる場所(home)」に「移動」する場合だ。
状況1-cに相当する場合が上記の解説の中にはないので、その場合、comeの反対語のgoが入ることになるのだろうが、この辞書のこの解説で十分理解できるだろうか。
到底そうは思えない。そこで、状況1のような場合に当てはまる、私流の理解の仕方を次回に解説することにする。