comeとgo スピンオフ編#5

バックについていた"Go with me"が、なんら問題のないフレーズだと分かった今、公開質問サイトの回答を振り返ってみると、どの回答も的外れであることが分かる。
質問者がバッグに描かれている二つ(二人?)のキャラクターのことを、なにも述べなかったため間違った回答を誘導することになったとも言えるが、一番の原因は質問者も、どの回答者も"go with me"の使い方を知らないことだ。
2007年当時でも、ネット検索を入念に行えば、"go with me"の使い方を理解できたはずなのだが、そのためにはネット検索力とでも言うべき知識というか、技術がいる。
しかし、回答者たちには、その力も十分ではなかったようだ。かく言う私自身、2007年当時の文法力、ネット検索力では、十分な回答はできなかっただろう。
ところで、問題のバッグをキャンペーンに使ったパンメーカーはその後も、毎年のように「リサとガスパール」をフィーチャーしたバッグをキャンペーン用グッズに使っている。
そして、2008年のキャンペーンに使われたのが次の画像のバッグ。
ロゴが英語からフランス語に替わっている。ロゴに使われたフランス語の意味を米グーグルを使って検索すると、"Come with me"のことだそうだ。
検索でヒットしたページには"Viens avec moi si tu tiens à la vie.": "Come with me if you wanna live."という使用例が挙げられていた。
この英語のフレーズ、映画ターミネーターで、ターミネーターがよく使ったフレーズだ。
なぜ英語からフランス語に替えたのか。
バッグのキャラクターはフランス人デザイナーによるものなので、フランス語したのだろうが、"Lisa et Gaspard"で画像検索して出てくるものには、キャラクターが発するセリフと思われるフレーズがついているものは、すべて日本製だ。
リサとガスパール」をキャンペーングッズに使っている日本企業は複数あって、いずれのデザインでもキャラクターが何かをしゃべっている風だ。
一方、海外で使われるデザインでは、そういうことは一切ない。
日本には、漫画・コミック文化が深く浸透している。そういった風土では、キャラクターはしゃべるのが普通なのだろう。
以上のことから、次のような事情が推察される。
もともとのデザインには、"Go with me"のフレーズは付けられていなかったが、キャンペーンを行うメーカーの意向で付けることにした。
ところが、このフレーズに関して、メーカーに公開質問サイトに掲載されたような質問が殺到して、その対応に苦慮した。
そこで、次の年からは、ほとんどの日本人には意味が取れないフランス語に替えた。
なまじ、日本人にも分かるようにと、英語のロゴをつけたことでかえって面倒なことになったのかもしれない。
画像のとおり、2008年のデザインでは、ガスパールが子犬を連れたものになっている。"Come with me"は、連れている犬に向かって発したものと受け取れるから、どんぴしゃの使い方といえる。