ある英語の選択問題#1

たくさんのサボテン・多肉のブログを毎日のように巡回している。北は北海道から南は高知在住の方のブログまで、家での栽培のヒントになりはしないかとの思いからだ。
見て回っているブログはサボテン・多肉関連のものばかりではない。英語関連のブログもひとつだけよく見るのがある。
そのブログでちょっと前の記事で次のような文法問題を取り上げていた。

英文
Eventually, [    ] of the atomic nature of matter, it was finally realized that magnetism and electricity were not separate phenomena.

選択肢
A. science when it became aware
B. when science became aware
C. science becoming aware
D. becoming aware of the science

この選択問題はある問題集にあったものらしく、かぎ括弧の中に選択肢の中から、どれを選ぶかというこの問題の正解はBとなっていたらしい。
さて、この問題をやってみた人の疑問は、Bが正解というのは分かるが、なぜCではいけないかというものだ。
この疑問、2009年7月にOK WaveとBIGLOBEという二つの公開質問サイトに質問が投稿されている。
また、全く同じ質問が2013年9月に今度は教えてgooとOK Waveに、2014年11月には、ALCOM Worldという英語関連の質問を受け付けるサイトに投稿されている。
質問者はすべて同一人物かどうかは分からないが、投稿された日に隔たりがあることから、多くの日本人学習者が同じような疑問を持つのかもしれない。
一番古い記事から一部を引用してみる。この記事はOK Waveという公開質問サイトに出たものだ。

TOEFL ITPの問題集からです.文法セクションの空所補充問題で,

Eventually, ------ of the atomic nature of matter, it was finally realized that magnetism and electricity were not separate phenomena.
A. science when it became aware
B. when science became aware
C. science becoming aware
D. becoming aware of the science

正解はBだったのですが,私はCが誤りだと言うことに納得が出来ません.
問題集の解説は「C及びDは分詞構文だが,この語順では以降の文が
うまくつながらなくなる.」なる説明にとどまっていました.
Dが不自然なのはいいですが,Cについては独立分詞構文だと考えれば
文法的に問題はないし,意味が通じなくなるということもないように思えます.
独立分詞構文は文法書などでは文語的とされていて,確かに頻用されるとは
言い難いですが,そうした慣用的な理由以外で選択肢Cの誤りを説明して頂けないでしょうか.

この質問に対するベストアンサーが次のようなものだった。

become の性質によるものだと思います。

単純形(ingのみ)の分詞構文は状態、その時点での進行、習慣的なことなど何らかの“継続的”意味を持っています。これは通常進行形にするかしないかとは別の、現在分詞が持つ本来の意味によるものです。そのため have/know/live など普通進行形にしない動詞でも having/knowing/living が可能で、「持っているので・知っていたので・住んでいるにもかかわらず」などが表現できます。進行形にできる動詞ならなおさら running/reading/playing などが「走っていると・読んでいたとき・遊びながら」と進行の意味が出ます。

一方 became aware は aware はその後継続するけれども became という動作は一瞬のものです。すると ing のもつ継続的な幅とは相容れないことになります。ではこういう一瞬の動作の動詞の進行形は不可能かと言うとそうではなく「〜しようとしている・〜しつつある」というように実現に向かっていること(そういう意味で進行形)になります。

he is becoming aware「彼は気づきつつある」
the show is beginning「ショーが始まりかけている」

以上から science becoming aware は「気づきつつあった」ということであり、そんなときに「ついに認識した」ではつながりが悪くなってしまうのです。

分詞構文を作るとき、前後の動詞の時制が同じなら単純形でいいと習いますが、動詞の性質によっては必ずしもそうではないのです。

became...was realized はどちらも過去ですが同時ではなく「気づいて認識する」という風にズレがあります。
ズレといえば「過去完了では?」と思いますが、接続詞がありまた誤解することがなければ両方過去形でもかまわないのです。

そういうわけでどうしても分詞構文にしたければ science having become aware とすれば「気づいた」のは永続しない完了になり、また前後関係も表せます。