ある英語の選択問題#4

この選択問題で議論されている独立分詞構文というやつ、私自身の経験からすると、実際の文章の中で使われているのを見たことがない。
そもそも、普通の分詞構文というのも、文法書などに例文として用いられるような、文頭に分詞が来るようなタイプに出会った記憶がない。
そこでいつものように、検索をかけることにした。検索にかけるのは、ある文法書に出ていた次の例文。
Crossing (=When he was crossing) the street, he was run by a truck.
この例文の分詞の部分"crossing the street"を検索語にして、米グーグルで検索にかける。ジャルンとして"Books"を選べば、書籍での使用例が検索できる。
一般検索にかけると、あまり参考にならないものばかりヒットするし、文章がないと前後の文脈がつかめない。
その点、Booksでヒットしたものは、その前後を読めば、どういう文脈での使い方なのかが即座に分かる。
検索でヒットしたものを順番に見ていっても、なかなか例文と同じような使い方の文が出てこない。
一番それらしいのが次の文。
(1) Again crossing the street, and at a short remove downwards, we meet with Seller-street.
しかし、文脈から見て、この文はAfter we cross the street again,と書き換えられ、文法書のWhen 〜ingにはならない。
さてその次はと探しても、それらしい文が出てこない。
一番近いのが次の文。
(2) Then, in crossing the street, you are nearly killed by a truck.
偶然にも、先の文法書の例文と内容的に似ている。
この文は文法的には分詞構文とは呼ばないのだろうが、こういう表現なら時々見かける。
さらに検索を続けると次のような文があった。
(3) Crossing the street, the path becomes the sidewalk to the left of the road.
この文も(1)と同じく、文脈から見てAfter crossing the streetと書き換えできるもの。
続いて、別の分詞構文の次のような例文を検索にかけてみた。
(4) Turning (If you turn) to the left, you will find the church.
この検索では次のような文が見つかった。
When turning to the left, you should turn wide enough to make the turn.
接続詞がついた形の分詞構文。しかし文法書のような条件を表す分詞構文ではない。
やっと見つけたのが次の文。
(5) Turning to the left, Haddon Hall will be seen among the greenery that boarders the River Wye.
このほかにも、いくつかの分詞構文について検索をかけてみた。
これらの検索から言えることは、文頭に分詞を置くタイプのものはやはり使用頻度がかなり限られているということ。
分詞の前にin, on, after, before, aboutなどの前置詞や、when, whileなど接続詞をおくものならそこそこ使われているということだ。