からだのことS4#6

日本人全体の総摂取カロリーが減少していっていることに関してはネット上でも、このことを取り上げた記事が見つかる。
そうした記事の一つが次のもの。
http://jijico.mbp-japan.com/2015/11/29/articles18817.html
記事は「日本人の体質」で引用した部分と内容でかなり、一致する。つまり、摂取カロリーが減っているのに、肥満な人が多くなってきているというような問題提起の仕方だ。
しかし、別の記事を見ると、摂取カロリーが急激に減ってきているのは、主に20代の女性で、一方肥満傾向が顕著なのは、中高年の男性だということが分かる。
どちらの場合も、健康維持という点では問題があるが、その質が全く違うのだ。
厚生労働省の統計数値が正しいとしても、摂食行動が全く違う20代の女性の場合と、中年以降の男性の平均値をもとに組み立てた理論にどれほどの意味があるのか。
ネットで見つけた次の記事は、その点について、冷静な判断している。
http://isoguna.net/2014/06/21/himanritsujosho/
しかし、上記引用の記事の著者も議論のもとになっている厚生労働省の統計調査そのものが正確がどうかには言及していない。
そこで、厚生労働省のHPを見てみることにした。統計がどのような手法で作られたかを知るためだ。
次にそのリンクを張り付けておく。
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/kekkagaiyou.pdf
上記の引用のなかで、「調査の概要」という個所に「イ.栄養摂取状況調査票(1歳以上)」というものがあり、その部分を読むと、多岐にわたる項目が定められて、いかにも綿密な調査という風に見える。
しかし、どのように項目を綿密に定めたところで、それを記入するのは、調査対象者自身だ。
栄養調査状況調査票なるものを渡された対象者がそれぞれの項目を正しく記入するかは保証の限りではない。
前述したとおり、自分の食べたものを正確に測るというのは、たとえ一日分であっても、とんでもなく面倒な作業だ。
ほとんどの人はいわゆる適当な数値を記入するだろう。
対象者が中高年の男性なら、外食する機会も多く、外食した場合の食品や飲料の品目とその重量を正しく記入することなど、そもそもできないだろう。
人間は食べたものや飲んだものは、ほんの短時間で忘れてしまうようにできているらしい。
正しく調査票に記入するには、食べるもの、飲むものを事前に計量し、その都度、ノートなどに記入しておく必要がある。
そんなことを調査対象者全員がやったのか。やるわけがない。つまり、統計そのものが恐ろしくアバウトなものに違いない。