人生案内 part 2

今日も読売新聞の人生相談コーナーについて。

この相談は5月29日付けの新聞に掲載されたものなので、昨日のものより古い。

これをネタにブログの記事を書こうと切り抜いておいたものだ。

相談内容は次のようなもの。

20代の女子大学生。自分の苦手なものについて相談します。

私は女性ですが、女の子らしいとされる服装や、ピンク色、ロングヘアにも苦手意識があります。かわいいものが嫌いというわけではありません。でも、手に取ったり、試着してみたりするうちに、だんだんと気持ち悪くなってきてしまいます。現時点では、ぬいぐるみが耐えられる精いっぱいです。

最近、両親や親戚から「もっと女の子らしくしなさい」と言われました。それ以外の周りの人たちからも、かわいらしい服装をすることや、髪の毛を伸ばしてみることを必要以上に勧められます。

苦手に感じるものを克服しようと、私なりに頑張ってきたつもりなのですが、これからどうしたらいいのかわかりません。アドバイスをよろしくお願いいたします。

この相談に対する回答は次のようなもの。

世の中には、女はかわいいものやスイーツが好きだと決めつける人が多いですね。長い髪でハイヒールを履けば女性らしいと言われるのも不思議です。

女らしさや男らしさは生まれたときから備わっているものではなく、それぞれの人が所属する社会や文化に規定されるものです。生物学的な性をセックスというのに対し、これをジェンダーと呼びます。

日本でも長らく家にいて家事をするのは女だといわれてきたように、こうあるべきだという固定観念が社会に根深くあり、多くの人を息苦しくさせてきました。

あなたも犠牲者の一人です。ピンクやロングヘアが女性らしいと考える家に育ち、それが絶対的な価値であるかのように押し付けられてきたのですから。自分らしさを否定されて苦しくないはずがありません。

環境に原因があるのですから、環境を変えていきましょう。そのためにもまず自分らしさについて考え抜いてください。自然な「私」でいてよいのです。揺るぎない自分があれば周囲は黙るしかなくなりますよ。 

 女の子らしいような服装や髪型が苦手という女子大生。その相談に対して、一昔はやったジェンダー論という切り口で回答している。

この相談、そんな大上段に振りかぶった議論で回答すべきものなのか。

男性ファッションに比べ、女性ファッションは選択肢の幅がとても広い。

何も相談者が苦手ないわゆるフェミニンなファッションだけが選択肢ではない。相談者が嫌いなら、無理して好きになろうとする必要はない。

フェミニンでないようなマンリーな服装を通せばいいことだ。何なら、いっそうの事、メンズを着ればよい。

ただ、問題はそれをきちんと着こなせるかどうかだ。

ファッションは単に自分だけが満足していればよいというものではなく、周りに影響を及ぼすものだから、場違い、不潔、だらしないなどは論外として、そのファッションがその人に似合っているかは重要なポイントだ。

相談者は周りから、自分の嫌いなフェミニンな格好を勧められ、困っているようだが、それは、フェミニンでない今の格好を十分に着こなしていないからではないのか。

周りの人間は、相談者には可愛い服装が似合うと思うから、それを勧めてくるのだろう。

どのようなファッションであれ、着こなしはとても重要だ。着こなすためには、いわゆるファッションセンスがものをいう。

相談者にとって必要なのは、フェミニンでないファッションを十分に着こなすファッションセンスを磨く事だと思う。

場合によれば、そういうファッションを着こなすための肉体改造も必要かもしれない。

上記のような自分磨きをしたうえで、アンチフェミニンな格好を十分に着こなせば、周りは沈黙せざるを得ない。

つい最近、スーパーである女性客を見かけた。

チェック柄のパンツにピンストライプのブラウス。しかし、見たところ、パンツではなく、メンズのズボンに、ブラウスではなく、ワイシャツに見えた。

髪は七三に分けた短髪。一見男性に見えるいでたちだった。隙のない身のこなしで、いかにも仕事ができそうな印象だった。

男性ファッションを完全に自分のものにしているこの女性について、あれこれいう人間は彼女の周りにはいないだろう。要は着こなしだ。

着こなしが十分にできていれば、周りは何も言わない。