一見栄、二男、三金#5

ここでもう一度落語「いもりの黒焼き」に出てくる、もて条件を振り返ってみる。
一見栄(いちみえ)二男(におとこ)三金(さんかね)四芸(しげい)五声(ごせい)六おぼこ(ろくおぼこ)七ゼリフ(ななぜりふ)八力(やちから)九肝(きゅうきも)十評判(とひょうばん)
五番目の「五声(ごせい)」に関しては前述のとおり、「五精」とするのが一般的だが、これを「五声」とし、声のよさがもてる条件のひとつと考えると鳥類の多くにずばり当てはまる。
鳥の多くはオスが囀りによってメスをひきつける。まあ、囀りは単に声が良いというより、歌い方が重要なので、「四芸」でもある。
こうしてみると、上位五番目までのもて条件のうち、「二男」はともかくも、他の4つの条件は、ほとんどそのまま鳥の世界にも当てはまりそうだ。
ここで、その「一見栄」を極めきったゴクラクチョウの世界を紹介した動画を見つけたのでリンクをつけておく。ただしナレーションは英語。
https://www.youtube.com/watch?v=OMU15ToyOF0
鳥の世界のことはここら辺でやめることにして、ケーブルテレビの番組「怪しい伝説」のほうに戻ろう。
番組で検証しようとした伝説を再掲してみる。
1. 男は女の前では、まともな判断が出来ないアホになる
2. 男は金髪女性が好き
3. 胸が大きいウェートレスのほうがチップが多い
4. 金のある男性ほど女性にもてる
1.はどうやら誤り。現実はむしろ逆。人間のオスも鳥のオスと同じく、メスの前ではいいところを見せるように遺伝的に運命付けられているのかもしれない。
さて、二番目の伝説。なんだか昔の映画に同じようなタイトルのものがあったような。確か、マリリン・モンロー主演の「紳士は金髪がお好き」。
検証方法は、ある女性グループに、お見合いパーティーに出てもらう。彼女たちにはの一人に最初は金髪以外のウィグを着けてもらい、別の男性グループとのお見合いには金髪のウィグをつけてもらい、男性グループからのそれぞれの女性への評価に差が出るかどうかを測るというもの。
別々の女性で、金髪以外、金髪のときの評価の差を調べてみたが、男性の評価に、目立った差は出なかった。
この検証方法が正しいかどうか分からないが、この実験結果だけを見ると、男は女性の髪の色など全く目に入っていなさそうだ。
大体、男性の大部分は女性の髪の毛の色だけでなく、服装の色やデザインにそれほど関心を寄せるとは思えない。
まあ、予想された結果ではある。ちなみに、同じ実験を日本人男性に行ったらどうなるかは、ちょっと興味が引かれる。