知性が大事#31

授業が始まって直ぐに感じたのは、クラスメートたちの英語力がかなり乏しいということ。
一応、いくつかの講座は英語力別の編成になっていて,私が取ったコースは上から二番目、中級の一般コースということだったが,クラスメートの年齢構成は先にも述べたとおり,かなり若い。
高校生ぐらいのタイ人が多かったのは,多分、1月がタイの夏休みか何かで、休みを利用しての海外での英語研修に大勢でやってきたのではないかと思う。
このタイ人たちの英語力がとりわけ低い。クラスに大勢仲間がいるものだから,教師が何かを説明して,その内容が分からないとなると,ある程度理解できる子がそれをタイ語に訳して仲間に説明する始末。
ちょっとおかしい話だと、しばし間をおいて、笑いが起きる。字幕スーパーつきの外国語の映画を日本で上映したときと同じ。いやそれよりもずいぶんタイミングが遅い。
これでは何のための英語研修か分からない。
休み時間ともなると、仲間たちとで当然のごとくタイ語でおしゃべり。
このタイ語というのが、こういっては何だが、なんというかフニャフニャした音韻の連続。ピッチが乏しく、リズム感がまるでない。
タイ語のことは何も知らないが、文法構造も英語とは著しい差があるのでないだろうか。
以上、タイ人生徒の悪口を書いたが,実はまったく同じことが日本人にもそのまま当てはまると思う。
夏休みを利用して、海外の語学学校に高校生を送り出すツアーがあると聞く。そのツアーでの英語の研修先で私が見たような風景が見られるに違いない。
日本語の音韻体系は英語のそれとは著しく差がある。言葉に抑揚が乏しく、リズム感もまるでない。
文法構造が英語と決定的に違っていて,これが日本人の英語理解の妨げになっている。というのが、私の理解だ。
多分、タイ人も英語を学ぶ上で同じ問題を抱えているのだろう。
教室での初日の授業のときだったか,自分の興味のあることを英語で説明するというのがあり,私はオーストラリアの太陽光線が殺人的であることが南極上空のオゾンホールの拡大に原因があり,その拡大は人間によるフロンガス二酸化炭素の空気中への放出が主な理由であるというようなことを説明すると,教室内が騒然とした。
私がしゃべったときに使った言葉に"the depletion of the ozone layer, chlorofluorocarbon, carbon dioxide"などがあり、これがタイ人生徒の中の通訳係りの子にも理解不能だったらしく,「わけわかめ」(当時、日本人中学生がよく使ったことば)てなことになったらしい。