日本人の英作文2015-11

「つばめのつんちゃん」の英作文、10回目。
課題箇所と作文例は次のとおり。

課題文
「あっ!」
まりちゃんとサリーちゃんは、いっしょに声をあげました。とびました。
つんちゃんはついに、箱からとびたって、すぐそばのフェンスに止まったのです。
親つばめがおりてきて、つんちゃんをまん中にはさんでとまりました。
それから息をあわせ、3羽そろって空にまいあがりました。
訳文1
"Look!" shouted Mari and Sari in unison.
At last, Tsun-chan managed to fly out of its box nest to the nearby wall. The parents came down on either side of it. Then the three of birds together and jointly soared into the sky, side by side.
訳文2
"Look!" said Mari and Sari at the same time. At last Tsun-chan left the box and perched on the nearly the fence.
The parnets flew down and perched on both sides of Tsun-chan. And then, the three were perfectly flying up into the sky.

「いっしょに」を訳文1は、"in unison"というあまり見かけない表現を使った。
これは音楽の合唱のとき、主旋律と対旋律というパート分けをしないで,全員が同じ旋律で歌うときに使う表現だと思う。
音楽とは関係ないときにも使うかどうか、米グーグルで検索をかけると、ネット辞書のFree Dictionaryに次のような説明があった。
Adv. 1. in unison - speaking or singing at the same time; simultaneously; "they shouted `Yes!' in unison"; "they responded in chorus to the teacher's questions".
つまり、今回の課題部分にも使えそうだ。
訳文2の"at the same time"でも、もちろんかまわない。単に"together"でも可。
ちなみにこの"together"をカタカナ表記で「トゥギャザー」にしている場合を見かける。
ケーブルテレビのDlifeというチャンネルでやっている「おたすけマニー」というアニメでは、主人公たちのテーマソングの字幕に、この「トゥギャザー」が出てくる。
しかし、英語の発音をよく聞くと、「トゥゲェァザー」のように聞こえる。
小さい文字で示した「ェァ」の部分を日本人のほとんどはうまく聞き取れないようで、
そのため、「トゥギャザー」のような表記になるのだろう。
「ついに」の部分を両方の訳文が,"at last"を使った。
この表現は、目的達成のために時間がかかったことに使うべきもので、「ついに物別れに終わった」などというような、結果が望まれないものであるときに使うのは間違い。
その意味で、課題部分にはちょうど適合する表現。
「3羽そろって」の部分。
訳文1の"the three of birds"は中途半端な表現。"the three birds"とするか"three of the birds"にする必要がある。
これに関連して、"two of us"という表現の意味はというと、「私たち二人」の意味になる場合が多い。
場合が多いというのは、状況によるから。
つまり、"us"の人数が明白に二人しかいない場合と,それ以上の人数であることが明白な場合で意味が違うということ。
前者の場合、「私たち二人」の意味で、ofは、「同格」を、後者の場合、「私たちのうちの二人」の意味で、ofは「部分」を表している。
それから「そろって」は、「息をそろえて」とか「調子をあわせて」の意味ではなく、「こぞって」の意味と取る方が自然。つまり、「三羽全部で」の意味。
訳例
"Look", cried out Mari and Sari together.
Tsun-chan flied.
The bird, at last, flied out of the box and perched on a nearby fence.
Its parents came down and perched on either side of it.
Then all three of them soared up into the sky.