赤ちゃんの泣き声=ただの雑音8

1から3のエピソードは、いずれも男性が比較的得意な分野の出来事。
逆に女性が得意に事に関するエピソードもあげなければ公平ではないだろう。
それは次回の記事に譲るとして、「地図を読めない…」で、三番目のエピソードにそっくりな話が出ていたので引用してみる。

地図が夫婦を引きさく


レイとルースの夫婦は、市で町まで出かけた。運転するのは夫のレイで、助手席に座るのは妻のルース。話しあって決めたわけではないけれど、この役回りはいつもいっしょだ。レイは男の例にもれず、ハンドルを握ると人が変わる。
地図を見て道を教えてくれ、とレイはルースに言った。ルースは地図の該当ページを開き、上下をひっくりかえした。車が右折すると、地図も右に四五度回転させる。もちろんルースは地図に何が描いてあるかわかっている。ただ、自分が進んでいる方向と地図の方角を一致させないと、しっくりこないのだ。ピンクやグリーンで色分けされた地図は、現実世界と似ても似つかない。車が北に向かっていればまだいいのだが、あいにくこのときは南に走っていた。ルースはまたしても地図を回転させる。しばらく黙りこくっていたレイが、たまりかねて言った。
「地図をくるくる回すのはやめろ」
「でも、向かっている方向に一致させないと……」。ルースは弱々しく答える。
「それじゃ文字が読めないだろうが!」
「でもね、レイ。進みたい方向に地図の向きを合わせておけば、通りの名前と地図がちゃんと一致するじゃない!」。ルースも腹が立ってきた。
「もし地図が上下反対に読むものなら、文字は上下逆に印刷するはずだ。つべこべ言わずに、どっちに行けばいいか指示しろよ!」
「どうすればいいか、ばっちり教えたげるわよ!」。ルースは激怒して、地図をレイに投げつけた。
「他人まかせにしないで、自分で読むことね!」
この手の言いあいを、あなたもしたことはないだろうか?人種を問わず、男と女が古来より繰りかえしてきたけんかだ。古くは十一世紀、コベントリーの領主の妻レディ・ゴダイバは、一糸まとわぬ姿で馬に乗ったとき道をまちがえた。ジュリェットもロミオとの逢いびきのあと迷子になっている。クレオパトラは、軍用地図をどうしても読ませたいなら、おまえのアソコをちょん切るとアントニウスを脅した。『オズの魔法使い』に登場する西の国の悪い魔女も、方角がわからず 南や北、東へと迷走していた。

上記引用部分で意味が分からないのは、「車が右折すると,地図も右に四十五度回転させる」の箇所。
普通右折や左折という場合、進行方向が90度変わることだ。右折の場合だと、右に90度曲がるのだから、進行方向に地図を合わせるには,地図を左に90度回転させなければならない。
3.のエピソードのナビゲーター役の女性が地図を回転させる方向を間違えたのは,右折の場合には,左に,左折の場合には,右に地図を回転という風に、曲がる方向と地図の回転が逆にしなければならないからだ。
問題の箇所はひょっとすると誤訳なのかもしれないが,原文がどのようなものか分からないので,なんともいえない。