日本人の英作文2016-5

能天気で鈍感な亮平は、典型的男性脳を持っているようだ。
さて、今回の課題箇所と訳文の例は次のとおり。

「難しく考えるなよ」
亮平は笑おうとしたが,亜美は苛立たしげに首を振る。
「あたしはね、あなたと違って面倒くさい人間なの。ああでもない、こうでもないって、いっつも考えてる。あなたは自分が楽になる思考しかできないのよ」
訳文1
"Don't be so serious!", he tried to smile, when Ami shook her head irritably.
"Unlike you, I'm a difficult person, always thinking and reflecting. You always want to do what needs less effort."
訳文2
Don't be so serious."
Ryohei was about to laugh, but Ami shook her head in irritation.
"I'm always worried about this and that, I say, unlike you. You only think how to make anything easier.

最初の文は、訳文例のままでいいと思う。
「亮平は笑おうとしたが…」は訳文1のように、try toを使うのがいいだろう。
try to は以前に記事にしたことがあるが,実際にはしなかった場合に使うことが多い。
日本文のほうも、文脈からいって亮平は実際には笑わなかったと考えられる。
「面倒くさい人間」を訳文1は、"a difficult person"とした。
人間がdifficultというのは、「気難しく、扱いにくい」という意味のようだ。Longmanによると次のように定義されていた。
someone who is difficult never seems pleased or satisfied
自分で自分を否定的な意味を持つ、difficultで表現するだろうか。
文脈から考えて、「面倒くさい人間」はちょうど,亮平と対極の性格のことをいっていると考えるのが普通。実際、亜美は「あなたと違って」と言っている。
つまり、亜美は、なんでも物事をお気楽に考える亮平と違って,いろいろと余計なことまで心配したり,考えてしまうタイプだということだ。
ここは、このシリーズの2回目に研究した"take everything seriously"が使えそうだ。
訳例
"Don't be so serious."
He tried to smile but she shook her head irritably and said, "I take everything seriously, always think in many ways unlike you. You only think everything in optimistic ways which make you feel comfortable. "