からだのことS4#4

糖質制限ダイエットを実施するにあたってはネット上でいろいろと情報を集めた。また、それに関わりのありそうな書籍も何冊か読んでみた。
書籍に関していえば、糖質制限ダイエットに批判的なものも参考にした。ネット上の情報では糖質制限ダイエットに批判的な情報より、その効果を謳ったものが多かったように思う。
書籍の方はその逆。つまり批判的なものが多い。著者はたいてい医者。専門的立場からの意見なので、情報として目を通しておく方が賢明だと思う。
ところが、この専門的立場からの意見というのが、どうにも納得いかないものが多い。
例えば、目を通した書籍のうちの一つに「日本人の体質」というのがあったが、この本の69ページから70ページにかけて次のような記述がある。

炭水化物を減らすのは大問題!
食生活の欧米化には、もう一つ見逃せない要素があります。カロリーの総摂取量に占める炭水化物の割合が減ったことです。100年前の日本人はカロリーの80%を炭水化物から摂取していました。この比率が現在では50〜60%まで下がっています。お米を食べる量も50年前の半分になりました。
これでも先進国のなかでは炭水化物の摂取比率が最も高いのですが、もともとインスリンの分泌量が少ない日本人が炭水化物をあまり取らなくなると、どうなるでしょうか?
インスリンが少なくても、炭水化物の摂取が多ければブドウ糖を必要なだけ細胞に取り込むことができました。しかし炭水化物の摂取が減ると、少ないインスリンではブドウ糖を十分確保できません。膵臓インスリンの分泌を高めようと頑張りますが、次第に疲れて機能が低下します。インスリンを作る細胞の数が減って、残った細胞もインスリンを十分作れなくなり、やがてインスリンをほとんど分泌できなくなると、それほど肥満でなくても糖尿病になってしまうのです。

この本の筆者によれば、日本人の糖尿病発症のメカニズムは欧米人のそれとは違っていて、糖質制限ダイエットなどは、むしろ糖尿病発症の危険性を高めることになるという。
しかし、この説だと、日本人の場合、炭水化物を十分に摂っていなくても、血糖値を即座に上昇させる糖分を含んだ菓子類などを十分とっていれば、糖尿病にはならないはずだ。
しかし、本当にそうなのか。
私には糖尿病の兆候がないから、現実的問題ではないが、糖尿病予備軍の人たちがこの説を信じて、炭水化物を多めに摂取したり、甘いものを常時、食べるようにしたらいったいどうなるのか、他人事ながら心配だ。