サイレントキラー

サイレントキラーというのはかかっていても、これといった自覚症状がないため放置され、急な症状が現れたときにはもう手遅れ、死亡してしまうような病気のこと。

今年の一月、ある知人の葬儀に参列した。享年61歳だった。ここ数年は、年賀状のやり取りも無くなっていたので近況については知る事ができないでいた。

それが突然の訃報。本当に驚いた。さらに驚いたのは、亡くなるまでの4年間、意識不明のまま寝たきりだったという事。

年賀状が来なくなるわけで、そんな事態になっているとは考えもしなかった。

彼は公務員として働く一方、プロの作家として、新聞の連載小説の執筆もしていた。

だから、年賀状が来なくなったのはてっきり、仕事が忙しくなって年賀状など書く暇が無くなったのだと思っていた。

寝たきり状態の原因は脳梗塞。彼の場合、通常の脳梗塞とは違って、大動脈解離を発症し、その手術中にできた血栓が脳にまで達して梗塞を起こしたという事だ。

前回記事の歌手の場合と同じく、生きていれば、まだまだ社会に対して有益な仕事ができたはずで、その早すぎる死が残念でならなかった。

さて、彼に早すぎる死をもたらしたもともとの原因である大動脈解離。心臓から出て全身に血液を送る太い動脈である大動脈の中膜に亀裂が生じ、その部分から血液が血管膜内に漏れ出すという病気だそうだ。

要するに血管病の一種。血管病は動脈硬化が原因で、これがまさしくサイレントキラー。前回記事でも書いたが動脈硬化は自覚症状がない。

また動脈硬化になっているかどうかは、通常の健康診断で行われる血液検査などでは分からない。

寿命を縮める可能性が大きいサイレントキラーである動脈硬化。その原因はいくつかあるが、いずれの原因も普段の食事がもたらす。

私たちの体は100パーセント、食べたものを原料として作られている。

そんな事は誰でも知っている事のはずなのに、血管を痛めつけ、寿命を短くしてしまうような食事を続けている人がなんと多い事か。

自分は大丈夫だと、根拠のない楽観をしないで、中年以降は前回記事でも言及したCAVIを受ける事を勧める。

保険は利かないが検査料はさほど高いものではない。