サルコペニア 酵素 毒蛇 2

酵素とは何かと問われて正確に答えられる人は少ない。あるサイトによる説明は次のとおり。

酵素とは、生物が生命活動を行う上で必要不可欠な物質であり、生体内で合成されるたんぱく質の一種です。

人間も生物だから、色々な酵素を体内に保有していて、その働きによって生命活動を維持している。

この「酵素」が健康維持との関連で、食品やサプリメントで補うというようなことが、サプリメントの広告などで目にすることが多い。

人体の酵素の働きについて、上記のサイトとは別のサイトから引用してみる。

酵素には、体内にある「消化酵素」と「代謝酵素」、食物から取り入れる「食物酵素」があります。
さらに細かく見ていくと、私たちの体には、およそ5,000種類の体内酵素が存在しているといわれています。なぜ、このようにたくさんあるのでしょうか。
それは「基質特異性」といって、たとえば唾液の中に含まれる消化酵素のα-アミラーゼは炭水化物だけしか消化せず、たんぱく質や脂肪の消化には役立ちません。
肝臓の中にあるアルコールデヒドロゲナーゼはアルコールにだけ働きます。つまり、酵素は"代役"を許さない、一つの働きしかできないスペシャリストなのです。

上記の説明の中で、「基質特異性」というのは、たとえて言うなら、ある特定の機会や構造物の特定の部品だけを扱うといったことで、酵素は言ってみれば特定部品のための専用工具のようなものといえる。

さらに別のサイトでは、酵素が良く働くための条件について次のように記述している。

この酵素には働きやすい温度と pH がある。酵素も無機 触媒と同様に基質と酵素(触媒)が出会うと反応する。し たがって温度が上がるほど分子運動が大きくなるので触媒 反応の速度が上がるが,酵素はタンパク質でできているた めある程度以上の温度になるとタンパク質が変性して失活 する。このため酵素には最適(至適)温度という酵素活性 が最大になる温度が存在する。また,極端な pH の変化で 酵素が変性し失活したり,pH によって基質のイオン化状 態が変化することで基質が活性中心と結合しにくくなった りするため,最適(至適)pH という酵素活性が最大にな る pH が存在する。

難しい話になってきたので、かいつまんで要点だけを箇条書きにすると次のようになる。

1. 酵素とはそれぞれの生体が、自身の生命活動のために作り出すたんぱく質の一種である。

2. 生体反応はきわめて複雑で種類が多いので、それぞれの生体反応のための酵素が準備されている。人間においても5000種類もの酵素がある特定の生体反応のために用意されている。

3. 一つ一つの酵素はそれが効率よく働くための環境温度やPhが決まっていて、それから外れると、酵素自体が失効してしまうこともある。

この理解からすると、人間以外が作り出す酵素を食品として摂取しても、それらの酵素が元の生物が、その生体内で行ったような酵素反応を人体内で起こすことはないと断言できる。

実は、私は長い間、血栓を溶かす働きがあるという、ナットキナーゼを含むサプリメントを使っていた。

私の父が若くして脳梗塞で寝たきりになったため、少しでもそうした事態を避けたかったからだ。

しかし、2年前に受けた頚動脈エコー検査で左右両方の頚動脈にプラークが形成されていることが判明。

長年に亘って飲んでいたナットナーゼのサプリメントプラークの形成をとめることはできなかったようだ。

ナットキナーゼはその名のとおり、納豆菌が作り出す酵素の一種。そんなものを口から摂取しても、人間の血管内にそのまま吸収されるはずもなく、万が一、入ったとしても、納豆と人間の血管内の環境は全く異なっているから、期待するような酵素反応は起こらないだろう。

安くないサプリメントの購入に費やした金額は計算するのも嫌になるほど多額だった。

酵素について、学べたことは良かったがずいぶんと高い授業料になってしまった。