腸内の環境を良くするには、食物繊維を多くとる必要がある。Tarzanの記事で4つの食事改善計画のうちの2つが食物繊維の摂取量を増やす目的があるのはそのためだ。
Tarzanの特集記事では全く言及がなかったが、食物繊維には、水溶性と不溶性の2種類があり、腸内環境の改善に役に立つのは水溶性のほうだ。
雑誌の4つの食事計画のページにある画像に「腸が喜ぶ食事」があるが、画像からその食事の内訳はおおよそ次のようなものだろう。
1. もち麦ご飯 (150g)
2. サバの塩焼き (120g)
3. ワカメと豆腐のみそ汁 (200g)
4. 納豆1パック (50g)
5. キュウリの漬物 (20g)
さて、上記の内容について栄養分析を行ってみた。
1. 大麦 30%として計算
E 195kcal P 20g F0.75g Gu 41.4g 塩分 0g
2. E 208Kcal P 20g F 16.2g Gu 1.3g Fi 0g 塩分 3.7g
3. ワカメと豆腐が入ったものとして計算
E 54Kcal P 4.1g F 1.9g Gu 1.4g Fi 1.8g 塩分 1.4g
4. スーパーで購入した納豆のパッケージの表示を参考にした
E 87Kcal P 7.1g F 4.1g Gu 3.7g Fi 3.2g 塩分 0.55g
5. E 4Kcal P 0.2g F 0g Gu 0.4g Fi 0.3g 塩分 2.3g
合計
E 548Kcal P 35.6g F 25.5g Gu 48.1g Fi 8g 塩分 8g
腸活に有効な食物繊維の総量は8gだが、問題の水溶性食物繊維の量はこれではわからない。
あるサイトで日本人の平均的な食物繊維の摂取量のうち、水溶性の占める割合はほぼ25パーセントであることがわかった。ということは上記8gのうち、水溶性はわずか2gということになる。
厚生労働省の栄養摂取基準によると一日当たり、男性で21g以上、女性で18g以上の摂取が推奨されている。摂取基準では不溶性と水溶性の区別はしていない。
実際の摂取割合から見て、男性の場合、5.3g以上、女性の場合で、4.5g以上の摂取が推奨される。
しかし、腸活を目指すのであれば、不溶性と水溶性の摂取割合は1:1か、それ以上の水溶性の摂取が必要と考えられる。
ということは、男性で一日10g以上、女性で9g以上、一日に摂取しなければならない。
Tarzanで「腸が喜ぶ最高メシ」としている画像の食事では水溶性食物繊維が少なすぎる。これでは腸はあまり喜ばないだろう。