猫まとめて4匹+4匹…その3

  • 保護した猫のうちの一頭(2011年12月25日撮影)

11月18日の夜が来て、夕食を摂った後、いつもどおり野犬の動向を探るため、出かけることにした。

その時に、あることが突然、頭に浮かんだ。イメージが浮かんだといっていいかもしれない。それは、行き場所もなく、じっとうずくまる猫のイメージだった。

昼間保護した猫は4匹いた。辺りを少し見回したが、他に猫がいる様子はなかった。
しかしである。ひょっとすると、知らない人間が近づいてくることに危険を感じ、身を隠した猫がいたかもしれない。

いつもどおりのコースで、河川敷を走った後、帰宅途中に昼間猫がいた場所に、もう一度行ってみることにした。

思ったとおりに猫がいたら、さらに厄介な状況になるなとは思ったが、一度頭に浮かんだイメージは、もう消しようもなく、確かめないで帰宅したところで、結局は気になってその場所に行くことになる。
それなら、初めから確かめに行ったほうが時間の無駄がない。

真っ暗な河川敷の遊歩道を自転車で走りながら、こういうときの自分の勘の冴えがちょっと疎ましかった。とにかくよく当たるのだ。突然浮かんだイメージどおりのことが現実に目の前に出現する。

昼間、猫たちが4匹、固まっていた河川敷に降りる坂がぼんやりと見えてきた。しかし、私の意識は、その手前にある、農業用水用のポンプ小屋の方にひきつけられた。

ポンプ小屋は堤防ののり面に基礎を作って、その上に建てられている。その基礎部分の一部がテラス状に平らになっている部分があり、そのあたりに何かがいると感じた。

街灯も何もなく、ほとんど真っ暗ではあったが、遠くの国道のオレンジ色の照明がうっすらとその何かのシルエットを浮かび上がらせていた。

その時点で、私には、それが昼間保護した猫たちの兄弟、または仲間であることを感じ取った。私の接近をその猫たちは感じ取り、こちらを凝視していることも私にはわかった。

数メートルの距離まで近づいてみると、思ったとおり、それは4匹の猫だった。
4匹の猫は、一匹の黒い成猫を先頭に、まだ小さい猫が3匹、縦一列に、ポンプ小屋の細長いテラス状のスペースに身じろぎ一つせずに、じっとうずくまっていた。