ライゾウの旅立ち

8月13日に保護したライゾウは、「いつ里」に里親募集の記事を掲載する前に、ある家族から里親になりたい旨のメールが届き、その家族に里親になってもらうことにした。
この家族は、今年3月に春太郎の里親募集をしたときに里親を希望されたのだが、4家族の間で、抽選になり、抽選に漏れてしまった。
ライゾウのことは、このブログで知って、連絡してこられたのだ。
先週の日曜日、ライゾウをこの家族の元に届け、一週間のトライアル期間、特に問題もなかったので、今日、正式に譲渡契約を結んだ。
古い農家を改築した家は、玄関を入ったすぐのところが広い土間になっていて、その土間に置いたケージにライゾウはいた。
私がケージに近づくと、低い声で唸った。里子トライアルの一週間を過ぎると、私のことを忘れてしまう子犬はこれまで沢山いたので、ライゾウもそうなのかと思った。
ケージから出してもらったときは、尻尾をだらんと垂れていたが、私の足元に来て匂いを嗅いだら、私のことを思い出したらしく、盛んに体を摺り寄せてきて、尻尾もくるりと巻き上げた。
里親さんのところでは、ライゾウはマロンという名前になっていて、もうその名前のほうを覚えたことだろう。
3世代が同じ屋根の下に暮らす、昔ながらの家族。なんだか自分の子供の頃に戻ったような気がした。
私が子供の頃に住んでいた家は、わらぶき屋根の古い農家で、玄関の引き戸は恐ろしく大きくて重かった。
その戸を開けてすぐのところが、土間になっていて、その奥にかまどのある、もう一つ別の土間が続いていた。天井が高く、家の中は昼間でも薄暗かった。
今の時代、そうした家がまだ残っていたことに、ちょっと驚いた。
広いうちと庭、それに沢山の家族に囲まれて、ライゾウはいいところにもらわれたと思う。