スズメの子

一階の屋根の上で、サボテンや多肉を育てている。今日は天気がよかったので、その多肉やサボテンに水をやるため、屋根の上に出た。
すると、屋根の上に子雀が。どうやら、二階南側の部屋のひさしでこのところで育っていたスズメの子の巣立ちのようだ。
しかし、まだ十分な飛翔力がないようで、屋根を上をうろつくばかりだった。
その後、子雀は、屋根から落ちらしく、庭のアジサイの近くにいるのを見つけた。
どこにも怪我はないようで、近づいて拾い上げようとしたら、激しく鳴き声をあげた。
その声を聞いて、たぶん親鳥だろう、スズメが普通に出す声とは、まったく違う激しい声をあげて、私の方に向かって飛んできた。
こういう状況で、あるテレビCMを思い出した。ほんの数日前にも同じCMを見たところだ。
何でも鑑定団」という番組のあとに流れる非破壊検査の会社のCMで、金子みすゞの詩の朗読が流れる。以下でそのCMを見ることができる。
http://www.youtube.com/watch?v=M8U6ea8RrLc
なんとも悲しい気分にさせられるCMなのだが、子スズメを捕まえようとしたら、実際には、スズメの母さんはお屋根で鳴かずに見てるということはなさそうだ。
親ではないスズメだったら、鳴かないだろうが。
今日起きたような経験を私は何度もしている。あるときは屋根から落ちて、死んでしまった子スズメを拾って、かわいそうに思い、庭で火葬にすることにした。
小枝を集めてきて、その上に死んだ子スズメを置いたら、たぶん親鳥だろう、私のすぐ近くの木の枝に止まって、激しい非難としか聞こえない声を、私に向かって浴びせ続けた。
「あのなぁー、俺が殺したんじゃないからサー。荼毘に付して、空に返そうとしてるんだよって言ってもわかる訳ないか」などと呟きながら、火葬を続けたこともある。
鳥にも、魂はあると感じたのはこのときだった。
画像はアジサイの株元にいた子雀を、親鳥がいないときにそっと近づいて撮ったもの。明日はちゃんと飛びたてるだろう。