日本人の英作文2016-17

前回の記事で「〜してしまいました」の表現には"cannot resist ...ing"が適切だと述べたが、その理由を述べる。
この表現は、手持ちの英和辞典二冊には、詳しい説明がない。
A英和辞典には、"I could not resist laughing. 笑わずにはいられなかった。
=I could not help laughing.
B英和辞典には、"I was unable to resist laughing at him. 私は彼のことを笑わずにはいられなかった。
以上のような記述だけ。
さて、英作文では、元の日本語の意味をどう解釈するがが先決になる。
この点がなんとなくわかったつもりで訳文を考えると、原文と訳文とのギャップが大きくなる。
そこで、日本語の原文にある、「〜してしまいました」の意味を詳しく分析してみる。
分析には、「してしまいました」は丁寧体なので、「してしまった」で考える。
まずは「してしまった」を使った例文をいろいろ挙げてみる。
1. スマホの写真を誤って消してしまった。(ネット検索)
2. 人生に疲れてしまった。(ネット検索)
3. またつまらないものを作ってしまった。(ネット検索)
4. 引き分けでよかったのに勝ってしまった。(ネット検索)
5. 出発の時間が迫り、焦ってしまった。(ネット検索)
6. 欲しいという気持ちがだんだん強くなってきて、買ってしまった。(あるブログ記事より)
7. 思わず浮気してしまった。
8. 夫が突然死で、逝ってしまった。(ネット検索)
9. マスカラが固まってしまった。(ネット検索)
10. Windows10のアップグレードが、勝手に始まってしまった。(ネット検索)
日本語が母語てある人には、上記例文のどれも、すぐに意味が理解できるし、そのニュアンスもわかるだろう。
しかし、それだからこそというべきか、日本人は、それぞれの例文の意味をほかの例文と対照させたり、分析し、これを意味的分類をするということはない。
ネットの国語辞典で「してしまう」を調べても意味は出ていない。
面白いのは、中国人向けの日本語学習サイトと思われるサイトで「してしまう」の項目があった。
外国語として日本語を学ぼうとする人のほうが、意味分析も、分類も確かなようだ。
それぞれの例文の意味は十分理解できる日本人にも参考になる。
引用するには長すぎるので、リンクをつけておく。
http://coffeejp.com/article/yufa/2007-06-05/article_1120.html
次回の記事て、英作文上の都合から、英語の動詞の分類を基準として、上記例文の意味分析、分類を行ってみる。