腸活16

フィーカリバクテリウムは人口の中での普及率はきわめて高く、誰でも腸内に定住させている。その一方で、これをうまく増殖させる方法はあまりはっきりしない。

そのほかの酪酸産生菌 (以後、酪酸菌とのみ表記) にいたってはネット上ではほとんど情報がない。

フィーカリバクテリウムに関してもイマイチはっきりしない増殖法だが、自分の体を使っての実験中。

増殖させることができるかもという食材の第三弾は、オリゴ糖の一種のフラクオリゴ糖

オリゴ糖とは糖の分子が一つの単糖分子が3個から10個つながったもの。これは定義ではなく、2個から10個とする説明もある。

これは単糖が2個つながった二糖類をオリゴ糖に含めるかどうかの違いで、サイトによってそれぞれである。

それはともかくも、フラクオリゴ糖はフルクトース、つまり果糖の分子がいくつか結合したもので、人間の消化器官の酵素では、結合部分を分解できないため、そのまま大腸にまで到達して、腸内細菌のエサとなる。

問題はここからだ。腸内細菌というのは、腸内の酸素濃度にしたがって好気性菌から嫌気性菌まで違う場所に定住している。

腸の始まりである小腸末端部辺りから酸素があっても平気な乳酸菌が定住している。その先にある大腸入り口辺りまでが乳酸菌の住みか。

その先の大腸には嫌気性のビヒィズス菌が定住している。オリゴ糖類はこの乳酸菌とビヒィズス菌の両方のエサとなる。

一方、肝心の酪酸菌は超嫌気性であるため大腸でも末端に近い下行結腸。摂取したフラクオリゴ糖がそこまで食べつくされず届くのかどうか。

「フラクオリゴ糖、フィーカリバクテリウム」という検索ワードで検索しても、フラクオリゴ糖がフィーカリバクテリウムの育成に効果的だというサイトはほとんどない。

効果があるとしているサイトの一つが私が食べているシリアルのメーカーのサイト。もう一つのサイトも腸活関連の食品メーカーのサイト。

エビデンスらしき実験結果を踏まえたものではなく、ただ効果があるといいっているだけ。フィーカリバクテリウムの育成に効果があるがどうかきわめて疑問。

オリゴ糖類は乳酸菌やビヒィズス菌の育成に効果があることは間違いなさそうだ。

そしてそれらの菌がつくる乳酸や、酢酸は酪酸菌のエサになるから、間接的にはフィーカリバクテリウムの育成にはなるかもしれない。

ところがである。この乳酸菌や特にビヒィズス菌の増殖による間接的酪酸菌の育成というのには問題があるかもしれないのだ。

何が問題なのか。その点に関しては次回の記事で書いてみる。