サボテンの花3

マミラリア・雲峰の花が三日前から咲いている。まだ一輪だけだが、花芽がほかにもいくつかあるので、これから次々と開花するだろう。
開花した花は、晴れた日、十分に太陽の光を浴びたときだけ、完全に花開くようで、曇った日は半開き。晴れた日でも、午後になると、すぐすぼみ始める。そして夜ともなると、花は閉じてしまう。
サボテン本体に比べて、かなり大きな花が咲き、いくつもの花が同時に開くと、サボテン自体を覆いつくすほどになるだろう。

  • マミラリア属雲峰(2010年3月29日撮影)


雲峰はメキシコの高山、2000mから2400mに自生するサボテンである。メキシコは低緯度地域ではあるが、高山に自生する植物は、やはり高山性の特徴を持つ。
高山性の植物は、自生地の標高がたいていの場合かなり限られている。雲峰の場合も、自生地の標高の範囲が200mしかない。
標高差が限られているということは、生育適正の環境条件が限られているということで、こうした植物を平暖地で育てるということ自体に無理があるのだ。
野草は、自然の中で育っているのだから、栽培植物より、ずっと丈夫であると思う人も多かろうが、実は、そうではない、
どんな環境条件でも、たくましく育つ野草は限られている。たいていは、環境条件がちょっと変わっただけで、育たなくなる野生植物のほうがはるかに多い。
高山植物などは、まさにその典型で、環境の温暖化で、絶滅の危機に瀕している高山植物は、数多い。
高山性の野生植物を栽培する趣味もあるようだが、その難しさは並大抵ではない。
私自身、高山性のスミレをいくつか栽培してみたが、夏越しが極めて難しく、腐って死んでしまう。
雲峰は、栽培が難しいようで、大玉になったものは、ネット検索でも見つからなかった。
今年は花を咲かせたが、来年の今頃はどうなっているやら。