野犬の訪問1

5月3日の午前中、小夏を連れて散歩に出た。川の土手に上がったとき、土手の下から顔を出した犬がいた。その2,3日前に買い物途中に住宅内の路上でちらっとみかけた野犬だった。

  • 最初に顔を見せた犬

この野犬は、だいぶ以前から川原に暮らしていた野犬のメスだと思うのだが、はっきりしない。
現在、私が観察を続けている野犬グループのオスの、ひとつ前の代のリーダーといつも行動を共にしていた長毛種のメスがいた。
最初にこのメスを目にしたのは、もう10年以上前になると思うが、毎年のように、川の中洲で子犬を産んでいた。
このメスは大変用心深く、夜になってからしか行動を開始しないし、昼間に動くとき、人間の近くには決して近寄らず、姿を見せても顔半分だけを草むらから覗かせるという用心深い性格だった。
その犬を最後に見かけたのは、2010年11月頃が最後だったと思う。長い間姿を見せないので、もう死んだものと思っていた。
目の前に現れたのが、その犬なのかどうかがはっきりしない。何しろ、その犬を昼間に間近に見たことがなかったからだ。

  • サブとは兄弟に当たる犬

顔の出した犬は、土手ののり面を下って、河川敷に降りたので、河川敷を覗いてみると、もう一匹の野犬がいた。
その犬は、以前に保護したタロ、ジロ、サブの兄弟に間違いなかった。
タロたちは、7匹一緒に生まれたようで、そのうちの三頭を私が保護し、残り四頭のうちの一匹は、ホームレスの人が拾って飼っていた。
そして、一頭は野犬狩りに捕まり、二頭が川原で成犬となった。
その内の一頭が現在の野犬グループのメスの一頭で、最近保護した春太郎や小春の母親だ。
二匹は逃げる素振りが無かったので、カメラを取りに家に戻った。滅多にない機会なので、野犬たちの姿を写真に撮っておくことにした。