イタチの子ども

昨日の午後11時ごろだったか、裏庭に放してあるチャックが、何かに反応して、激しく動き回る気配がした。
夜中に家の周りの道路を歩く人がいる場合だと、犬たちは吼えまくるのだが、それとは違う反応の仕方だった。
念のため、外に出て、チャックやブンタの様子を見てみた。
塀の外も、チェックしようと、塀に近づいたときに、何かやわらかいものを踏んづけた。
いったい何っ?
足もとを見ると、それはまだ小さいイタチの子どもの死体だった。
家の犬にやられたに違いない。
ずいぶん以前にも、庭に迷い込んだイタチがいて、やはりそのころ、庭に放し飼いにしていた3匹の犬たちにし止められ、死んでいるのを次の朝に見つけたことがあった。
そのときのイタチはもう大人だったと思うが、今回のイタチはまだ子ども。
どんな生き物であれ、まだ子どもだと思われるものが死んでいると、なんとも痛ましい気持ちになる。
死んでしまった原因が、自分のところの犬のせいだとなると、自責の念すら感じてしまう。
そのままにしておけないので、とりあえず、犬たちがかじったりしないように、高いところに置いたたらいの中に死骸を入れた。
次の日の昼ごろ、もうイタチの死骸は腐敗臭を辺りに撒き散らしていた。
このイタチの子どもがどこで生まれて、どのように育ったかは分からないが、川の中州に埋めてやるのがよさそうだということで、そのようにした。
よりによって、小動物に襲い掛かる犬がいっぱいいる庭に迷い込むなんて。今度生まれてきても、絶対に家には近寄るんじゃないよ。
そう心の中でつぶやいて、川の中洲を後にした。