一見栄、二男、三金#4

さて、四番目のもて条件の「芸」については、ゴクラクチョウの仲間のコウロコフウチョウを思い出さずにはいられない。
鳥に全く興味のない人でも、この画像を見ると、思い出す人がいるのではないだろうか。

この画像はネットで見つけたものを拝借したものだが、これと似たような画像が、もうかなり前になるが、電車のつり広告に使われていたことがある。同じメーカーのテレビコマーシャルにもこの鳥の映像が使われていた。
このコウロコフウチョウ、前から見ると、胸のあたりから下の羽が濃い灰色のうろこ状になっている。またのど元には、尾羽の一部と同じ、メタリックブルーのうろこ模様。実にダンディな装いだ。
一見栄の条件は完全にクリアーしている。さらに、フウチョウの仲間にはダンスでメスを引き寄せるものがある。
コウロコフウチョウもダンスの名手だ。切れのあるダンスパーフォーマンスは、一見の価値がある。

首を激しく、左右に振ることで喉もとのメタリックブルーが金属光沢を放ち、メスの視線を釘付けにし、翼も同時に鋭い風きり音を立て、メスの興奮を誘う。
これだけの芸達者も珍しい。
姿良し、ダンスもうまい。縄張りもしっかり確保している。これだけの条件が揃っているのに、メスに持てるものはオスのうちの一握りしか過ぎないのだ。
かつて、NHKの「ダーウィンが来た」でこのコウロコフウチョウを取り上げたことがある。
そのときの映像の一部を下記のサイトで見ることが出来る。
https://www.youtube.com/watch?v=9s80PHodB1A
このときの番組を見ていて思ったのは、なんだかとても切なくなったこと。
主人公のピン太君は、首尾よく目的を達成できたが、ほとんどのオスは一羽のメスにも持てることがないそうで、ほんと、コウロコフウチョウのオスに生まれなくて良かったとしみじみ思ったものだ。