チャノホコリダニの仕業?

リトープスのことを記事にするブログをいくつも巡回中、注目すべき記事に出会った。リトープスのいくつかに特徴的な被害に関するもので、別のブログを参考に、ダニが原因ではないかとの内容だった。
記事に添えられた画像には、家にも同様の症状が出たものがある。
まずは微紋玉。曲玉数株と同居している。
曲玉には被害がないが、頂面と側面の境目あたりから,その下にかけて肌がざらついて、半透明になっている。
被害はたいしたことはかったので、成長にはそれほど支障はなかったと思う。


麗虹玉。
手前の株には被害がないが、右奥の株には,微紋玉と同じような場所が変色して,肌が半透明になっている。
こちらの株は成長が止まってしまったように思う。
単に暑い時期の半休眠なのか、ダニの被害による成長停止なのかわからない。


最後は、珊瑚玉。右奥の株の被害が大きい。
左奥の株にも若干の変色部分がある。
被害の兆候は脱皮が順調に進まないことだと上記ブログにあったので、変色の原因は家の場合と同じだろう。


ダニにもいくつか種類があり、このような被害箇所が比較的限局されるものは,チャノホコリダニという種類が該当する。
チャノホコリダニは家庭菜園をしていると,夏野菜、とりわけナス科の植物に多大な被害を受け、しかも防除が大変難しいという経験をする。
以下はチャノホコリダニに関するサイトからの引用。
http://www.boujo.net/handbook/tomato/toma-426.html
防除のための農薬が紹介されているが,ここにあげられた農薬はHCなどでは手に入らないものばかり。
しかも、単一農薬の連用はすぐさま耐性種の出現を招き,全く効かなくなる。
実際、家庭園芸用としてダニに対する適用が表示されている農薬はまったくといっていいほどチャノホコリダニには効果がない。すでにこうした薬剤には抵抗性を獲得しているからだ。
農業作物には適用できないが,リトープスのような食用にするものではなく,また小規模栽培には、裏技が使える。
それは、ダニへの登録がない薬剤とアーリーセーフという、薬理作用ではない方法でダニを殺す農薬とのコンビネーション。
アーリーセーフは植物由来の油で,ダニを窒息させて殺すというもの。
窒息という物理的手法なので、耐性種の出現はない。
しかしこの薬剤、値段が高い。小さい家庭用のボトルが1000円ぐらいする。しかも希釈倍率が100倍程度。これは一般的農薬の十分の一程度だ。
これは、事実上、通常農薬の10倍のコストを意味する。小規模栽培ならともかく、ある程度の量を散布しなければならない栽培だと使えない。
さらに、確実に全滅させることはできない。
虫体にうまく薬剤がかからないと殺せないからなのだが、チャノホコリダニは成長点の奥深くなどに潜んでいて薬剤がかかりにくい。
そこで、薬剤の揮発成分で殺すタイプとのコンビネーションが効果を高める。
今までいろいろ試した中では、アクリテックとの混用が一番効果が高かった。
適用は自己責任ということになるが,今のところ,このコンビネーションで適用植物に被害が出たことはない。
しかし、薬剤の使用などより、脱皮途上の旧皮がかぶさった状態が問題発生の原因なら,なるべく早くこれを取り除いたほうが確実ということになる。
来季は旧皮を人為的に取り除くことの功罪について検証してみる。