アナフィラキシーショック #1

最後のブログ更新からずいぶん経った。
このブログにも少ないながら読者がいて、その中の何人かの人は私の健康状態を心配してくれていたようだ。
そうした心配を払しょくする意味もありブログを再開することにした。
健康状態に関しては、ブログでも書いた睡眠時無呼吸はほぼ解消したのでそれに伴う不調はなくなっている。
書きたいことは山のようにあるので、あとは眠気に負けずブログ更新するだけ。
さてブログ再開の最初の記事はというと、いきなり健康、いや生死にかかわること。
タイトルの言葉は人によっては聞きなれない言葉だろう。
しかしこの言葉を私にとっては自分の人生を終わらせかねない事態を意味している。
あれからもう何年になるかはっきり覚えていない。
しかしその出来事は決して忘れることのできない恐ろしい体験だった。
夏の今頃だったような気がする。庭に出るため玄関でサンダルをはいたところ、足に鋭い痛みを感じた。とげでも刺さったかと思ったが、サンダルから一匹の蜂が飛び立った。
蜂に刺されたのだ。蜂の種類はアシナガバチ。痛みはそれほどでもなく、虫刺されにはキダチアロエの葉っぱを貼付(ちょうふ)するのが一番だと思っているのでその時もそうした。
この時よりもさらにさかのぼること数十年前、夏休みに応接間のソファで昼寝をしていて、飛んできた蜂に左足を刺されたことがあった。
その時は眠気が勝ったので、刺された箇所の応急処置もせずそのまま昼寝を続けた。
昼寝から寝覚めて、刺された左足を見て驚いた。
左足全体がパンパンに腫れあがっている。
刺された箇所も赤くなっているが、左足全体がむくんだ状態で、くるぶしは腫れのために見えないほどに。
この腫れは数日間も続いたと思う。この時自分は蜂の毒にアレルギーがあるのではないかと思った。
その時の記憶がよみがえり、やはり適切な応急処置は必要だろうということでアロエの葉を刺されたところに張り付けたわけだ。
アロエの葉は、処置が早いとかなりよく効く。とりわけイラガの幼虫、イラムシに刺されたときに早く処置するとほとんど刺された跡がなくなるほどよく効く。
ハチ刺されにも有効で、刺された箇所はそれほど大きくはならなかった。
ところが刺されてから数分後にそれはやってきた。
まずは脈拍がどんどん早くなってきた。もうそれは早いなんてものじゃない。脈拍を測ってみて驚いた。なんと一分間200を超えている。
それから息苦しさ。いくら深く息を吸っても息苦しい。悪寒もしてきた。
死ぬかもしれない恐怖心もあって体中が震えてきた。
夏の暑い時期にもかかわらず、布団に潜り込んでみても寒さが収まらない。脈拍はずっと早いまま。
すると、その早い脈拍が時々、二、三秒止まるようになった。
これは本当に恐怖だった。
慌てて自分で自分の心臓マッサージをした。
しかしだ。力をこめて心臓マッサージをすると、それがまた心臓の拍動を早める原因になる。
心臓マッサージをしないと心臓が止まったままになりそう。かといってそれをすると脈拍を早めそう。こんな究極のジレンマがあろうか。
すさまじい速さの脈拍は5分くらいは続いただろうか、その間に脈拍がストップすること数回。脈拍がだんだん収まって漸く安心したものの、息苦しさはそのまま。
ああ助かったと思えたのは、ハチに刺されてから一時間近くたってから。
この激しい症状がアナフィラキシーショックと呼ばれるもので、実際、これにより死亡する例が年間に十件以上あるようだ。