サブの危険な状況1

うちには現在、5頭の犬がいる。5頭とも近くを流れる川の中州で野犬の子供として生まれた。
その5頭の最年長がサブ。
生後三ヶ月ごろに里親を募集したが見つからず、ずっとうちで飼っている。現在8才になる。
サブには以前から気になることがあった。それはオシッコがスムーズに出てこないことがあり、量も少ないということだった。
犬の泌尿器系の病気にストルバイト尿石症というのがある。猫には頻繁に見られる病気だが、犬にも同じ病気がある。
膀胱内に食事で取り入れた食物に含まれるマグネシウムが結晶化して起きる。いわゆる結石というやつだ。
人間にも同じ病気があるが、人間と違って、この病気になったからといって、動物がおしっこのときの違和感を言葉で訴えることができない。
飼い主が注意していて初めてわかる。この病気の怖いところは、知らぬ間に病気が進行していて、あるとき急にオシッコガでなくなったような場合だ。
おしっこが出ないというのは緊急事態だ。この事態となった場合、ある時間内に手術なり何なりの処置をしないとその動物は間違いなく死んでしまう。
そして、まさにその事態がサブに起きてしまった。
5月27日の日曜日、いつもどおり、ダイニングルームの北側の雨戸を開け、庭に放し飼いの3頭のわんこたちに朝の挨拶。
いつもは元気に顔を見せる3頭だが、この日のサブは全然元気がない。尻尾をだらりと下げて様子がおかしい。
おしっこをする姿勢、つまり片足を上げるのだがぜんぜん出ていないようなのだ。
以前からおしっこの出が悪いとは思っていたが、まったくでなくなるということはなかった。
犬にも尿石症があることは知っていたので、注意はしていたのでオシッコガでないというのは緊急事態であることも認識していた。

  • 元気のない様子のサブ