次の日、前の日に出会った時間に女性は現れなかった。その次の日も。
ひょっとして、スーパーにやってくる体力もなくなったのではと心配になり、この女性がどこの誰かを調べることにした。
手がかりは例の緑色のインコ。この特徴は他の誰とも違うものだから、間違えようがない。
ここで私は某宗教団体の人脈に頼ることにした。私自身はこの宗教団体に所属しているわけではないが、知り合いに何人か信者がいる。
その知り合いの一人にそれとなくお伺いを立てると、二つ返事で探してあげるという言ってくれた。
ものの半日もしないうちに、女性の名前と住所が判明した。宗教団体の人脈恐るべし。
女性はインコを肩に乗せ、犬の散歩をしていたわけだから、犬のほうも飼育が十分にできなくなっているだろう。
ことは急を要すると思い、スーパーに女性が現れるのを待たず、こちらから女性の自宅に行ってみることにした。
女性の自宅はスーパーからほど近くにある一戸建ての家。ここに一人で住んでいるというのが、事前に得た情報。
自宅は簡単に見つけることができた。門にも玄関にもインターホンがなかったので、玄関先で大きな声で、名前を呼んでみた。
中から返答が聞こえてきた。まだ生きているというのがそのときの偽らざる感想。
全く応答がなかったら、どうしようかと心配していた。