サボテンのわな8

思いがけない形で、サボテンオークションに参加し、最初の入札で目的のペクチニフェラをゲットしたが、最初の入札と同じ日に、先に入札期限がくるサボテンでひとつに、気になるものがあった。
王冠竜というそのサボテンは、薄緑色の球体に黄色の刺を荒々しくまとっており、迫力十分。直径が15cmを超えるかなり大型のサボテンで、入札開始価格が500円であった。
いかにもサボテンらしいその姿に惹かれたが、入札期限が間近に迫っても、誰も入札しない。
ペクチニフェラの高値更新の入札が気になっていたのだが、王冠竜のほうも気になり始め、入札締め切り直前に、開始価格の500円で入札した。
ほかに誰も入札しなかったので、その値段で落札できた。
直径15cmを超える大型サボテンが、たった500円。それなのに誰も入札しないというのはどういうことか。後でわかったことなのだが、サボテンの世界にも人気の品種と、そうでないものが厳然とあり、人気のないものは、どんなに安値でも、誰も見向きもしないということらしい。
それはともかく、ヤフオクでの記念すべき、最初の落札品は、ペクチニフェラではなく、王冠竜となった。

  • 王冠竜


入札初体験でいきなり2つのサボテンをゲット。それもいままで見たこともないようなサボテンだ。オークションの持つ独特の興奮もあり、それから毎晩、サボテンオークションのサイトにアクセスすることとなる。
サボテンそのものというより、サボテンをえさにした、オークションというトラップに完全にはまってしまったのだ。