ジロの新しい家族

里子に出していたジロ。おとといの日曜日に譲渡契約を結び、正式に里子としてもらわれることになった。
お試し滞在期間の初めの頃は、やはり夜になると、さびしいのかジロは遠吠えしたそうだ。普通なら、キュンキュンというような声を出してさびしい気持ちを訴える犬が多いが、ジロは、何代も続く、いわば由緒正しい野犬の血を引いているせいか、狼のような遠吠えで、さびしい気持ちを訴えたのだろう。

  • 再会したときのジロ(2011年1月9日撮影)


里親さん宅で、久しぶりの再会で、さぞ喜ぶかと思ったが、もう私の顔を忘れたのか、それとも、まだまだ新しい環境になじめずに困惑したままなのか、ジロと呼んでも駆け寄ってきたりはしなかった。
しかし、いざ私が帰ろうとすると、小屋から飛び出してきて、さよならを言う私の後ろからウォーンという様なさびしげな声をあげ続けた。
やはり忘れてはいなかったのだ。
なんとも切ない別れではあるが、私がこの先もジロが死ぬまで面倒見られるかどうか、微妙な事情を考えると、ジロにとって、この新しい家族にもらわれて暮らすほうがたぶん幸せなのだと思う。
野犬の性質を強く持つジロは、知らない人にも犬にも大変警戒心が強く、人にこびるようなしぐさも一切しない。
新しい家族に慣れるにも、日数は掛かるだろうが、それを承知で、里親になってくれたのだからきっと大丈夫だろう。
一ヶ月ほどしてから、里親さん宅に連絡入れるつもりだ。そのときには、新しい家族にすっかりなじんでいるかもしれない