新たな子犬たち32

アイの事で落ち込んでばかり入られなかった。まだそのとき、家には里親が決まっていない2匹の子犬がいたからだ。
面倒でも、やはり「いつ里」に記事を掲載して、里親を公募したほうがより適切な里親が見つかる可能性が高い。
そう考えて、まず残り二匹を獣医に連れて行ってワクチン注射を打ってもらった。
記事を掲載すると、すぐにでも応募がくる場合がある。お見合いをするにあたって、ワクチン注射をしていないと、アイのように、ウイルス感染してしまう恐れがある。
早めのワクチン注射が必要だ。

  • モカ(2011年9月10日撮影)


野犬の子だから保護した子犬たちはみんな、母犬から免疫をもらっていると考えたのが間違っていたかもしれないのだ。
記事を掲載することにした二匹うち、茶色の毛色の子にはモカという名を、黒い子にはエボニという名をつけた。
「いつ里」に、里親募集の記事が掲載されたのは、9月18日の日曜日、午前7時過ぎだった。
驚いたことに、最初の応募が午前9時半にあった。そして、その日の午後にでも早速お見合いに来たいとのことだった。
「いつ里」の里親募集記事に載る犬たちの多くは、成犬だ。子犬の記事はあまり多くない。しかし、飼うとなればやはり子犬を希望する人が多く、子犬の里親希望者は潜在的にかなり多いのだろう。

  • エボニ(2011年9月17日撮影)


やってきた里親希望者は、モカのほうを希望した。まだワクチンを打って間もないことや、他にも希望者が応募してくるかもしれないので、その場合は、条件を考慮して里親を決めさせてもらうと伝えた。
そのほかには、2件の里親希望者からのメール連絡が9月19日の月曜日までに入った。
しかし、その後は問い合わせのメールは来なかった。
チャウの里親募集のときには、記事掲載からたった一日で、10件を越える問い合わせがあったから、それに比べるとずいぶん少ない。
モカとエボニはどちらもメスだ。これがひょっとすると応募の数が少ない理由なのかもしれない。